騎士、怪我をする。
ルウイさんにラフな格好をしてたら、照れられてしまった・・。
紳士淑女は身だしなみに気をつけるらしいしね。
ルウイさんに、「今後は気をつけるね」って言ったら、コクコクと無言で頷かれた。・・一緒に寝た事があるのに、そこ照れるんだ・・面白いな。
キリルから貰ったクッキーを出して、お茶を淹れると・・ルウイさんはお茶をゆっくり飲んで一息つく。
「・・流石に急に吹雪いてくるとは思わなくて・・驚きました」
「ここ、結構山が多いから、局地的に降ったり、吹雪く事が多いんですよね・・」
うちは、あまりそういう場所じゃないから助かるけど・・。
山間部にある村なんて大変だろうな。
「明日・・、もう一度行く事になったので・・、その・・」
ルウイさんは、ちょっと申し訳なさそうに私を見る。
お弁当かな?そんな気にしなくていいのに。
「はい!お弁当作りますね!」
そういうと、嬉しそうに微笑むので私もなんか嬉しくなる。やっぱりルウイさんは笑ってる方がいいな。
「ルウイさん、明日も気を付けて下さいね。キリルも張り切ってるだろうけど・・」
結構、張り切ると無茶するからなぁ・・
ふと昔の姿を思い出して、遠い目になる・・。カイルと花畑に行って花を摘み始めたら、ムキになってものっすごい量を摘んで誇らしげにしていた姿を・・。そして、その後「こんなにどーすんの!?」って怒られている姿まで思い出した。
「・・・トーリは、キリルさんが好きなんですね・・」
ルウイさんが、眉を下げてポツリと話す。
「・・好き・・もあるけど、憧れのが大きいかな。なにせ有言実行しちゃうし・・」
「・・・そうですか・・」
私がそう答えると、ルウイさんは小さく笑って、
「ちゃんと、トーリの大切な人は守りますよ」
「・・ルウイさんも大切な人ですよ」
「・・ありがとうございます」
大事だって言ってるのに、なんかあんまり聞いてないよね?
いつもは大型犬でーす!よく見てます!聞いてます!!みたいな顔するのに・・。なんかキリルの話をすると、いつもルウイさんは静かになるな・・。
どこか遠くを見つめるルウイさんに、心配なんだけど・・、杞憂に終わるといいな。
それから数日経って、見回りも結構うまくいってるらしい。
今日はルウイさんもお仕事だけど、結構な大雪なんだよね・・。なので、お昼には帰ってくる・・とはいってたけど、心配だ。最近、なんか思いつめた顔をしてる時もあるし・・。
白狼の狩りもできたらするって言ってたけど・・。
こんな大雪で出来るんだろうか・・。
ちなみに白狼は、割とどこにでも生息してるんだけど、群れでの狩りが上手なうえに、仲間思いだったりするから、困ったやつなんだけどモチーフにされるんだよね・・。ルウイさんなんて、白狼騎士団だったし・・、
「・・なんか、複雑じゃないのかな・・」
ぼやっとしているからか、家での独り言が大きい・・。ホルスって、大雪とか降るのかな?仕事部屋で、ホルスについての本を探して調べてみる。
『雪と氷が一年の大半を占める国』
一年の大半・・。嫌だぁ〜・・・春も夏も秋も欲しい・・。
ってことは、農作物の問題とか大変そうだな。あ、そうかだから温暖な近くのトリルが欲しくて戦争してるのか・・。また一つ賢くなってしまった・・。
そんなアホな事を考えていると、ガチャっと玄関の扉が開く音がする。
思わず、玄関へ駆け出すとキリルに付き添われたルウイさんが入ってくる。腕に包帯を巻いているのが見えて、さっと顔が青ざめる。
「ルウイさん・・!!腕・・」
「大丈夫ですよ、かすり傷です」
「・・かすり傷では・・」
キリルが苦しげに言うので、ドキドキしてしまう。
ルウイさんを心配して見上げるけど、小さく笑うだけだ・・。私はルウイさんの腕を見るだけで胸がドキドキするんですけど!??




