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前世もちは、今日も秘密を隠す。  作者: のん
前世もちと騎士。

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騎士と兄弟。9


逃げてしまったアミルさんを追いかけることになった私達。

しかも少ない魔力で撹乱の魔術を使って逃げ回るという王様‥。いいのかなぁ、公務。あと大事な魔力をそんなことに使って危険はないのか?


「とりあえず町に行ったのを掴めたようだな」

「町って、うちの町ですかね」

「ああ。そうなるとあいつが行くところといえば、あそこだな‥」

「そうですね‥。かなり入れ込んでますしね」

「やはり噂は本当だったんだな」


え、そんな場所が町にあったの?ルウイさんとアミルさんが顔を見合わせて頷く姿に驚いていると、ファティルさんがパッと手を光らせた。



「すまないなトーリ。あいつがトーリを万が一ホルスに連れて行こうものならルドヴィクが怒り狂うんで一緒に来てもらうぞ」

「え、私?ま、まぁ、別に一緒に行くのは構いませんが、どこへ‥」

「それはもちろんパン屋だ!!!」

「っへ?」



パン屋?!

目を丸くした瞬間に、パッと転移したのか、瞬きをすれば目の前はルウイさんとよく行くお馴染みのパン屋さんだ!と、ジャガイモの精霊がものすごい勢いで少しだけ開いていた扉の中へ滑り込んだ。


「やはりここか!」

「パン屋の店主は渡しませんよ!!この町の大事な要です!!」

「どれ、俺はケーキを買っていくか」


三者三様店の中へ駆け込むと、パン屋のおじさんは目を丸くしながら「いらっしゃい?!」と、驚きつつ挨拶をしてくれた。


「ゲッ!早過ぎないか!?」

「何を言ってるんですか!仕事が山ほどあるというのに!」

「だってここのケーキ、滅多に食べられないし〜」

「それなら俺が買ってくるからお前はさっさと帰れ!!」

「自分で選びたいんだって!あ、ルベルはどうする?お前も滅多にこっちに来られないだろ」

「アミル!ルベルを仲間に引き込もうとしないで下さい!」


兄弟達よ落ち着いて‥、パン屋のおじさんが驚いてます。

ルウイさんとファティルさんと、一応面識があるおじさんは心底驚いた顔をしながら四人をまじまじと見て、


「え、と、トーリちゃん、この方達って兄弟、なのかい?」

「はい。おじさんのケーキが大好きで今日は揃って買いに来たんです」

「はあぁああ、似てるなぁと思ってたけど兄弟だったんだ‥」


呆気に取られつつ、そう返事をしたおじさんにアミルさんがすかさず「店主、ここの棚のケーキを全部!」と、王族買いしていてルウイさんが「アミル!加減なさい!」と、すかさず怒ったが、全く気にせず買ったケーキの箱を嬉しそうに受け取っていた‥。いいのか、王様。



「アミル!ケーキを買ったしもう帰るぞ!ジャガイモ!念の為にこいつの頭にくっ付いておけ!」

「そんなに急かすな。店主が驚いてしまうだろう」

「こいつ一回どついていいか?」

「ファティル、今は抑えて。あとできっちり絞めておきましょう。店主、お騒がせしました」

「は、はい」



速攻でパン屋からアミルさんを連れて外へ出て、扉を静かに閉めると何も言わずパッとまたも我が家に転移した。‥うん、なんていうか本当にすごいな。


「トーリ色々済まなかったな。こいつを連れて帰って公務をさせてくる」

「はい。‥あの、すみません、結局趣味を見つけるお手伝いができなくて」

「いや、そんなことは‥」


ファティルさんがそう言った横で、アミルさんが「ファティルの趣味って魔術じゃないのか?」と、言うが魔術はお仕事ですねぇ‥。しかしスケッチブックを持たされていたルベルさんが、アミルさんの頭の上に乗ったジャガイモをちらっと見て、



「絵は、結構いい感じなんじゃないか?リンゴと言われればリンゴだし‥。もっと描いてみたら趣味になるかもしれないぞ」

「ルベル‥」

「なんなら俺も一緒に描こう。俺も剣ばっかりだしな」



お、おお、美しき兄弟愛!

優しいやり取りに感動していると、ルウイさんがそそっと私の側に来て小声で、「今度一緒に刺繍をしましょう」と、話すので笑ってしまった。そうだねぇ、ルウイさんの刺繍も独創的だしね。


「ふむ、なんだかいい感じにまとまったようだし、ケーキも手に入れたし、そろそろ帰るか」

「当たり前だ!!!ルベル、いくぞ!!」

「ああ」


ルベルさんが頷き、一歩足を進めたその途端、どかっとファティルさんが描いていたリンゴの籠にぶつかった。


「わ!」

「ルベル、危ない!」


ルウイさんが慌てて支えようとするも、何故か二人して足が滑り、持っていたスケッチブックが宙を舞い、スポッとアミルさんの頭の上に着地した。



その途端、



「ハックション!!!」

「「「「え?」」」」

「な、なんか体が寒いんだが‥?」

「まさか‥!!」



ファティルさんがスケッチブックを開いてページを勢いよくめくったが、丸い精霊とナスとキュウリがいない!?


「‥‥‥魔力を、全部吸ったんだ」

「ええ〜〜、じゃあ私は魔力風邪になったってことか?っくしゅん!」

「くそっ!!なんでこうなるんだ!!!」

「す、済まないファティル‥!俺がドジなばっかりに!!」

「ファティル〜〜、早く帰って薬作ってくれ〜〜」

「言われんでも作るわ!!トーリ、ルドヴィク、またな!!」

「「は、はい‥‥」」


パッとファティルさん達があっという間に消えて、我が家に静寂が訪れたが‥、あれで絵を描けるのだろうか?ルウイさんを見上げると、ルウイさんは遠くを見つめ、



「‥‥今度、ファティルに画材でも送ります」



と、呟いた。

そうだねぇ‥、私はパン屋さんのケーキをファティルさん宛にたんまり送ろうかな?





昨日は友人が来てたので更新できず‥。

本日二回分更新です!今回はコメディいやいつもだろな感じで終了です!兄弟ものは書いてて楽しい!久しぶりにルベルさんも出せて満足の作者でございます(^^)ここまで読んで頂きありがとうございます〜〜!

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― 新着の感想 ―
面白かったです。ファティルお兄さん、最初の頃の印象が、今ではすっかり苦労人に…ホロリ…兄弟仲が良くて読んでいて安心しました。みんな幸せであれ!
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