騎士、眠る。
熱が出るなんて久々すぎて・・、ちょっとどうしようかと思ったけど、ルウイさんがいてくれる時で良かった・・。
あれからまた少し寝て、起きてからルウイさんが作ってくれたパン粥を食べて、薬湯を飲んだ。苦い。なぜ薬は苦くないといけないのだ・・、甘いジュースでもいいじゃないか。
うげ・・と、
苦い顔をすると、ルウイさんはちょっと笑っていた。
・・すみません、オブラートがまだ欲しいお年頃です。体は。
「・・少し、顔色が良くなってきたようで、安心しました」
「・・ありがとう、ルウイさんがいてくれて、助かりました・・、一人だとこういう時大変ですし」
薬を飲んで、ベッドに潜り込むと
ホッと一息ついて、ルウイさんに笑いかける。
「・・・いつでも、お側におります」
ルウイさんがちょっと切なげに笑う。どうした・・、そんなに寂しいのか・・?
ちょっと手を伸ばすと、さっき頭を撫でたように顔を寄せてくれた。
前髪をちょっと触って、頬をちょっと撫でてみた。
おお、すべすべだ。
ルウイさんは、ちょっと目を丸くするけれど、動かないのでそれをいいことにもう少し頬を撫でた。・・・そういえば、お母さんに昔こうやって撫でてもらって気持ちよかったなぁ・・。
今世は5歳までしか一緒にいなかった父母。
前世はあんまり覚えてないけど、愛されて育てられてラッキーだったな。
えーと、撫でてもらってなんて言われたっけ・・
熱で頭がぼんやりして、ルウイさんの頬を撫でつつ・・・
「・・可愛い・・」
そういって、小さく笑うとまた睡魔がやってきて、目を閉じた。
・・すうすうと寝てしまって、真っ赤になって固まっているルウイさんには気付けかなった。ごめん、理性がどっかいってた。
夕方、少し起き上がれるようになったので、今の内!とばかりに、薬を飲んで歯を磨いて着替える。
「ルウイさん、私先に寝ますね。ルウイさんはのんびり過ごして大丈夫ですよ」
「いいえ、眠るまではお側にいます!」
「・・使命感、すごい・・」
キリッとしてるけど・・、いいんやで好きに生きろ。
部屋でのんびりすればいいのに、また私を寝室に横抱きで運んでベッドに寝かせる。・・もう好きにしてくれ・・。
ベッドに寝転がると、ちょっと寒気がくる。
あ、今度は寒気がするな・・。
布団を首までかけて、ルウイさんをちらっと見ると、優しく微笑んでくれる。・・・こういうの風邪の時は、本当にありがたいなぁ・・。
「・・ルウイさん、本当にありがとうございます。夜は気にせず休んで下さいね」
「・・・どういたしまして・・。トーリも元気になって下さいね。貴方が笑っていないと寂しくて・・、心が千切れそうです」
千切らなくていい。
心は大事に繋ぎ止めておいて。
でもルウイさん、本当に心配してくれているんだなあと思って、ふふっと笑ってしまう。またそっと手を出すと、私の前に顔を出す・・。これ、元気になってもするのか?
「・・心は大事にして下さい。私もルウイさんが笑顔の方が嬉しいです」
そういって、頭をそっと撫でる。
ルウイさんは、頑張って笑ってくれた。そうそう、笑顔はストレスにも効くんだぞ。ガン細胞も殺すらしいよ?
「・・おやすみなさい・・」
小さくそう言って目を瞑ると、「はい」とルウイさんが返事してくれて、
そっとルウイさんも私の髪を撫でてくれた。
ああ、撫でられるって気持ちいいなぁ・・。
ルウイさんが撫でて欲しいっていうの、ちょっと分かった。
けど、やっぱりちょっと寒いな・・。
「・・寒い・・・」
ボソッと呟いて、そのまま眠ってしまった。
その後、少し意識が覚醒したけど・・、今度はほかほか暖かくて、あ、これは熱が大分良くなったな・・そう思って、暖かくて気持ちがいいので擦り寄ってみた。
暖かくて、すべすべして、気持ちいいなぁ・・
ん・・・
すべすべ・・・?
ガバッと起きると、ルウイさんが私をすっぽりと腕の中に入れて眠っている。
眠ってる・・??なぜ、腕の中?テレポーテーション?今、時を飛んだ??
周囲を見ると、ルウイさんの部屋だ。
あ、毛皮・・。
ほら、これやっぱりベッドにぴったりだし、暖かい。
いや、そうじゃないな。
ルウイさんが目をゆっくり開けて・・ふわっと笑う。
いや、笑ってる場合じゃないぞ。どういう事だこれ。ひとまずルウイさんに事の経緯を説明してもらおうと思ったのに、「まだ寝てて下さい」と言われて、腕の中へ戻された。待て、ステイだ!!!!




