騎士、備える。
夕食には、冷めても美味しいサンドイッチを作っておく。
もちろんルウイさんのは、お肉多めだ。
雨も降ってきたけど、ルウイさんは窓に板を打ち付けてくれて・・、風邪引かないかな・・と心配になった。打ち付け終わって、びしょ濡れのルウイさんにすぐにお風呂に入ってもらった。
すっかりホカホカに温まって、リビングへ戻ってきたルウイさんにお茶を出して、私も明かりが消えてしまっては困るので続けてお風呂に入り、リビングへ戻ると、ちょうど明かりが消えてしまった・・。
魔法石で、明かりを送ってもらっていたけど・・この嵐だしな。
ロウソクをつけようとすると、ルウイさんが指先から淡い光を出してくれた。
「ルウイさん、魔法を使えるんだ!」
「・・すみません、お伝えしていませんでしたが・・、使えます」
「別に謝らなくていいよ、今は助かってるし・・」
そう言いながら、引き出しから出したロウソクに火をつけると、周囲が少し明るくなる。ついでに、もう何個かつけておくと、なかなか良い雰囲気になった。
外は大嵐だけど・・。
窓の外は、ゴウゴウと風が吹き荒れ、雨が窓を強く叩きつける。
うわあ・・こんなに大きいの久々だな。
窓か、壁か・・どこかから隙間風が入ってきて、ロウソクの明かりがユラユラと揺れる。た、頼むぞロウソク!!
「ルウイさん・・、先に夕飯食べちゃって、早めに休みましょうか」
「そうですね・・、そうしましょう」
二人で、風の音を聞きつつサンドイッチを食べる。
こんな嵐が来るのなんて久しぶりで、これ一人じゃなくて良かったなぁ・・って思って、ルウイさんを見る。
「・・こんな嵐、一人だったら恐かったんですけど、ルウイさんがいてくれて良かったです」
そう言うと、嬉しそうに「光栄です」って言って微笑んだ。
うん、何よりも安心です。
なにせ騎士団長様ですし。
寝支度をして、それぞれ部屋へ行くけど・・嵐がひどくて、窓はバンバン音をたてて揺れるし、雷も鳴ってきた。
「・・雷、苦手なんだよな・・」
布団を思いっきり被って、耳を塞ぐけど、バリバリという音と、地響きかのようなドンと言う低い音が鳴るたびにドキドキしてしまう。
「・・・・ダメだ、眠れない・・」
怖くて、寝られないなら起きよう。
本でも仕事部屋から持ってきて読もうかな・・。そう思って、起き上がるとパリンと音がした。ガラス・・・?!明かりを持って、部屋を出ると階段を上がって、すぐの小さな窓が割れている!
「トーリ、危ないです!離れて下さい」
ルウイさんも見にきてくれていて・・、急いで窓に板を打ち付けてくれた。
び、びっくりした・・。
ガラスを急いで片付けて、床を拭いてホッとした途端・・
バリバリバリ・・!!と、雷の音がして、思わず目を瞑る。
ドン!!って、音が来る〜〜!!慌てて耳を塞ぐと、ルウイさんがぎゅっと抱き寄せてくれて腕で、音が聞こえないようにしてくれたのか包み込んでくれて、思わずホッとした。
地響きは体で感じたけど、音はさっきよりもずっと小さい。
「・・あ、ありがとう。ルウイさん・・、すみません、雷だけはダメで・・」
「いえ、お役に立てて嬉しいです」
「十分ですよ・・」
と言ってるそばから、また雷の音がして、慌てて耳を塞ぐとルウイさんは小さく笑って、耳を押さえている私の手にルウイさんの手を重ねてくれた。うう、すみません・・。
「・・トーリ、今日はリビングで一緒に過ごしましょう」
「いやいや、ルウイさんはちゃんと休んで下さい」
そもそもルウイさんは、犬でも奴隷でもないんだから、自分の体を大事にして欲しい。
「いいえ、今晩は一緒に過ごします」
キリッと強い決意表明をされた・・・。
えーでも、さすがに悪いし・・、と、思っていると私より先にルウイさんが私の耳を塞いでくれて、雷に備えてくれた・・。
「・・・・じゃあ、リビングで・・」
雷に観念してルウイさんに言うと、ものすごく良い笑顔で微笑まれた。・・・くそ、雷だけはダメなんだ。




