騎士、デート?
奴隷に、しかもギルドの前で警備隊の眼前で倒されたネイトさん・・、翌日「急に用事を思い出した」といって、早朝に次のギルドへ向かったらしい。
と、カイルが家にやってきて教えてくれた。
そうか、それは何よりだが、なぜ夕飯時に来る。
もう一人分、肉を焼くハメになるんだけど・・。しかし、若人をお腹を空かせたままにはしたくはないしなぁ・・。ルウイさんが不満そうな顔をしているけど。
カイルは美味しそうにお肉を食べつつ、
「あ、そんな訳で、明日報酬金渡したいって、メルクさん言ってました」
「・・・分かったけど、カイル、ソースが付いてる」
「え・・?どこ??」
子供がいる・・。
指で口元を触っているが、そこではない。
「ほら、ここ・・・」
私がカイルの口元を指差そうとすると、ルウイさんがカイルの口元をナプキンで素早く拭いた。早っ!!!
カイルはびっくりした顔でルウイさんを見て、小さく頭を下げた・・。
早く大きくなれよ〜・・・。
私は指差そうとした手を戻して、パンを千切って食べると、不意にルウイさんと目が合う。嬉しそうに笑うので、大型犬可愛いなって思った・・。
あ、犬・・で思い出した!カイルを見て、
「ねー、カイル!犬飼いたいんだけど、知らない?」
「はぁ?犬??お前が飼うの?」
「いやぁ・・いたら可愛いかなって・・」
ルウイさんを見ていると、撫でたくなるし・・犬で欲望を抑えつけたいんだよね。そう思って、ルウイさんを見ると寂しそうに私を見ている。え・・なんで?
「・・・私は、確かに犬にはなれませんが・・。散歩くらいなら・・!」
「いや違う!そうじゃない!!ルウイさん、人間だからね?!」
頼むから人間の尊厳と威厳を大事にしてくれ・・。
私とカイルは思わず一緒に遠い目をしながらルウイさんを見つめた。
この人、大丈夫かな・・?
そんな事を思っていると、窓がガタガタと揺れ出した。
「・・風が出てきたな〜、明日か明後日、嵐が来るみたいだからメルクさんが気を付けろって言ってた」
「・・カイル、それも言えって言われてたでしょ」
ジト目でカイルを見たが、気にせず肉を食べる。話を聞け。
じゃあ明日、午前中に買いだめしておくか。
「ルウイさん、午前中に買い物に行こうと思ってるんですけど、ギルドに行くなら一緒に行きますか?」
「・・っはい!!」
嬉しそうに笑うルウイさん・・。尻尾、尻尾をブンブン振ってる・・。
頑張れ、私の理性!今は撫でる時でない!!
右手が疼く・・!!みたいなポーズになりつつ耐える私って偉いなぁ〜って思った・・。
翌日、なんか前回よりも凄い金額が書かれた領収書にルウイさんがサインした。
目を丸くして、領収書を見るけど・・、あの、ゼロの数が・・なんか凄い。
メルクさんを思わず見ると、バチーンとウインクして、
「これから冬だからね!皮が結構いい値段で売れたの!あ、お金はこっちでも預かっておけるけど、どうする?」
「そうですね・・、では半分預かっておいて頂けると・・」
「オッケ〜!!」
そういって、報酬金を渡してもらったけど・・、私は驚いて目を丸くするばかりだ。ルウイさんは、ニコニコ微笑みながら・・
「そろそろ冬物も買わないとですしね・・」
「あ、そうか・・ルウイさんの服、冬服はなかったですしね・・」
「はい、なので帰りに一緒に買いに行きたいのですが・・」
男性物の服を見に行くの?
まぁ、いいけど・・、そう思って頷くと、メルクさんはパッと顔を輝かせて、
「ええ〜〜!!なぁあにい!!デートってやつね!!」
流石、体はゴツイ筋肉で覆われているのに、心は砂糖菓子の乙女!そうきたか!!単なるお買い物もデートにしちゃう!
見事なお手前に感心していると、ルウイさんは私に微笑みかける。
「デート・・、嬉しいです!」
あっれ〜?
いつの間にそんな展開になったのかなぁ?
普通はそういうものなの?ニコニコ微笑む大型犬のようなルウイさんを見て、とりあえず「落ち着いてね」って言っておいた。




