騎士、撫でた。
奴隷だといきなりやってきた騎士に暴露され、私は怒りMAXなのにルウイさんは笑顔である。
なぜだ・・、私だったら速攻で蹴り飛ばしてる。
いや、すでに手を叩いてやったが・・。じろっとルウイさんを睨みつける。
「なんで笑ってるんですか!あと、2・3発ぶん殴りたかったのに!!」
私がプリプリと怒っているのに、ルウイさんは可笑しそうに静かに笑うだけだ。なんで!?だって、あいつめっちゃ失礼じゃない?!ルウイさんは、私の手をそっと握る。
「・・トーリがああして怒ってくださっただけで十分です。・・それに、こんな風に怒るんだな・・と思ったら、ちょっと可愛らしいなと・・」
ルウイさんは、嬉しそうにふふっと笑うけれど・・。
眼科へ行け。
怒ってる姿が可愛いとか、眼科へ行け。なんなら今すぐ一緒に行ってやる。
「・・・ルウイさん、私は人間の尊厳を傷つけてくる輩は嫌いなんですよ」
「ですが、今は確かに奴隷ですし」
「私はルウイさんを奴隷だなんて、一ミクロンも思った事はありません!ルウイさんはルウイさんであって、私には一人の人間です!!」
空いている手でルウイさんの胸に思いっきり指差して、ドスドスと突いてやった。
そんな私を見ても、ルウイさんはますます嬉しそうに笑うだけだ。
くそ〜〜、ちゃんとわかってる?!
私が憮然とした顔をしていると、ルウイさんはニコニコ笑いつつ握っている手をそっと絡めてくる。
「・・私のご主人様が優しくて嬉しいです」
「・・・聞いてないでしょ、私の話・・」
全くもってこの大型犬は言うことを聞かないな・・。
ひとまず今日のギルドでの様子を見ると話はできなさそうだし、帰ることにした。
家に帰ると、ルウイさんは釣りをしようと私を誘った。
「・・・たまには一緒に釣りをしたいのですが・・」
ルウイさんは、ちょっと申し訳なさそうに言うけれど、これはもしや機嫌を取ろうとしてる?それとも、やっぱりちょっとしょげてるのかな?
「・・・まぁ、いいですけど」
そう言うと、顔をパッと輝かせる。
くそ・・、今日もうちの騎士団長様は可愛いな。
二人で川まで下りて、釣り糸を垂らす。
サラサラと流れる川は今日も綺麗だ。最近はルウイさんが釣りをしてくれるので、そういえば川へ来てなかったなぁなんて思っていると、隣に座るルウイさんがニコニコ笑って私を見てる。
「二人で釣りもいいものですね」
「そういえば、釣りは初めてでしたね・・」
なんか釣りを一緒にするだけで喜んでくれるので、思わず笑ってしまう。
あんな失礼な奴がいても、静かにかわせるルウイさんは大人だな・・。
騙されないように教えないと!って思ってたけど、私の方が大人にならなくては・・。精神年齢50歳近いんだし。
「・・ルウイさんは、大人ですね・・」
思わずボソッと呟くと、隣に座るルウイさんがちょっと小さく笑う。
「まだまだ若輩者ですよ・・」
「・・謙虚とか。大人の証拠です・・」
ちょっとブスッとしつつ、そう話すとルウイさんは穏やかに笑う。
「・・でも、少し傷ついたのは確かですね・・」
「ルウイさん・・」
そうだよね・・、あんな風に言われたら、やっぱり傷つくよね。ルウイさんの顔を見つめると・・、
「なので、撫でてください」
「ルウイさん、絶対めげてないでしょ・・」
この人、絶対図太いと思うな。
でも、今回は理性も「撫でていいんじゃない?」って欲望と一緒に言ってる気がしたので、そっと手を伸ばしてルウイさんの綺麗な金髪を撫でた。
サラサラの髪の感触が気持ちいいな。
柔らかい髪を優しく撫でて、そっと手を離す。
満足したかな?そう思って、ルウイさんを見ると夕陽と同じくらい顔が赤くなってる。あれ・・?なんで??なんか私まで照れ臭くなって、ちょっと顔が赤くなった。




