騎士とリボン。
お金は大事に扱って欲しい。
一文無しだったのに、有り金全部渡そうとするルウイさんに不安しかない。
昨夜はこんこんと説明しておいたが、基本的に金銭に困った事がなさそうだ・・。
不思議そうな顔をして聞いていたけど、本当に不安だ。お金はひとまず仕事場にある金庫にしまっておいて、何かあったらそこから出す・・という風に決めた。
なぜって?
大型犬に見えるルウイさんが、切なそうな目で私を見るからだよ!
人には容赦はないが、犬には弱いんだよ!!ルウイさんは人間なんだけど・・、なんか犬っぽく見えるからタチが悪い。
翌日。
身支度して、畑に水やりをしてから朝食を作っていると、ルウイさんが裏口から入ってきた。
「あ、ルウイさんおはようございます!」
「おはようございます。あ、これを・・」
ルウイさんは持っていた籠を渡してくれた。
ん?なんだろう・・?中をみると、卵がいくつか入ってる!?
「さっき、狩りをしていた時・・、鳥の卵を見つけまして・・」
「え、すごい!!そろそろ買いに行こうと思ってたんで嬉しいです!じゃあ、今朝は目玉焼きにしますね」
ルウイさんのハンティング能力すごいな。
ベーコンと一緒に焼いて食べようと準備していると、ルウイさんが私をニコニコ笑って見つめている。
「・・?どうかしました?」
「・・昨日、差し上げたリボンをつけて下さっていて、嬉しいな・・と」
「あ、なるほど・・」
少し照れた顔でそういうので、こっちも照れてしまう。
うわ〜〜〜、騎士さんって何でできてるの?砂糖??
若干、むず痒い空気を感じつつも朝食を食べると、ささっとお皿を洗ってくれる騎士、ルウイさん・・。私、奴隷契約を解消したら、何もできない人間になっているのでは・・?
今日は午前中、仕事をしてお昼を食べたらうちの周りを散歩しつつ、買い物をする事にした。
「ルウイさんは、狩りか釣りですか?」
「そうですね、訓練も兼ねて狩りに行ってきます。ギルドで動物の皮や肉も買ってくれるそうですし・・」
「・・・ルウイさん、狩り尽くさないように気を付けて下さいね」
・・・なんかえらい強そうだし、島中の動物とか魔物がいなくなりそうだ・・。
まぁ、島っていっても、北海道くらいのデカさだし。
きっと大丈夫・・だと思いたい。
ルウイさんは「もちろんです」と、綺麗な顔で頷いてくれたけど。信じたい、その言葉。
「あ、ルウイさん、出掛けるならこれ持っていって下さい」
バッグに水筒と、ドライフルーツを袋に包んで入れて渡す。
ルウイさんは、少し驚いた顔をして私を見る。
「休憩の時にでも食べて下さいね」
そういって笑うと、嬉しそうにニコニコ笑うので・・見える!尻尾が見える!!
玄関まで見送ったけど、尻尾をずっと振ってるように見えた。
そうして仕事場で仕事をしていると、「うわ!!!」という声が聞こえた。
・・・・ん?声??
気のせいかな〜と思ったけど、何かあったらルウイさんが心配しそうだし・・。仕方ない、仕事はとりあえずひと段落ついたし、見にいくか。
仕事場から出て、声のした方はどこだろう・・
そう思って菜園を見ると、すぐそばに立っている木にカイルがぶら下がっている。
・・・・なぜぶら下がっている???
裏口を開けて、カイルに声を掛ける。
「・・・なんかぶら下がるの、好きなの?」
「んなわけねーだろ!!!メルクさんからの報酬金持ってきたら、罠が仕掛けてあったんだよ!!!」
「あ〜、ルウイさんここにも仕掛けてたんだ〜」
家の横の木は、二階にも登れる高さだから心配したのかな。
でも、私も時々ここを通るから外しておいてもらおう。
「・・なんで玄関から普通に入ってこないのよ?」
「・・・だって、あの人・・なんか怖いし・・」
「ちっとも怖くないのに・・」
私がそういうと、「お前はな!」と言われた。
いくら普通でなくても、やたらと人が怖いわけではないんだぞ?
あと下ろさなくてもいいんだぞ?




