プロローグ
初投稿となります。拙い文章ですが精一杯更新していきますので読んでいただけると幸いです。
クラス替えとは生徒にとって1年の命運を決めるイベントであり、これによって楽しい学校生活が送れるか、送れないかが決まると言っても過言ではない。
高校生活で最後となるクラス替え。メンバーを見た限り平穏な1年が送れそうだと思っていた。
自分の隣の席が幼馴染で疎遠になっていた女の子だと気づくまでは……
俺の名前は、風見琉人 運動神経は普通くらい学力も平凡と特に才能がないのが自分だ。そして俺の隣の席に座っている女の子は夢月楓昔仲が良かった幼馴染だ。
彼女とは小さい頃から小学校くらいまで仲良くしていた女の子だ。小学校高学年になった辺りから周りの目が気になって、遊ぶことも話すことも減り次第に疎遠になってしまった。そのまま同じ中学・高校と進学したものの、まったく会話することがなかった。だからだろうか、隣の席というのがなんとなく気まずい。
なにか話した方がいいのかもしれない。だけど今更なんて声を掛けていいのかもわからない。決心もつかない。
そんなことを考えていると、楓の近くに女子たちが集まって話し始めた。彼女たちは笑顔でとても楽しそうだ。そんな状況を横目で見ていたら目が合った女子に嫌そうな目で見られる。俺はその視線に耐えられなくなり、自分の席を立ち友達の席に訪れる。
「今年も一緒だな」
「もうほんとに腐れ縁だよな。こんな奴と腐れ縁より美少女との腐れ縁の方が良かったぜ」
「それ、去年も言ってたよな」
こいつは冬平信雪。幼馴染……というわけではないが小学校から高校までのとても長い付き合いだ。特に中学からはずっと同じクラスで俺が心から親友と呼べる存在だと思う。他愛もない話をしていると、ホームルーム始まりを告げるチャイムが鳴る。
最初のホームルームの話は大体長い。最高学年としての自覚を持てだの、自分の夢をしっかり決めろだの、そんなのわかってる。
わかってるけど自覚なんて一人が持ったところで変わらない。
全員が持たないと、何も変わらない。
真面目に生活している人ほど規則や自覚に縛られ、息苦しい生活を送っているような感じだ。そんなうんざりするような話をされた後は全校集会がある。
無駄に長い校長先生の話。
ちゃんと聞いている生徒なんているのだろうか。大体の人は聞いてないような気がする。先生たちだってちゃんと聞いているのか怪しいものだ。
そんな意味があるかわからない話も終わり、学校ができた時に作られた昭和感溢れる校歌を歌い、そして生活指導担当の教師の注意事項喚起を終え、改めて教室に戻れば新しいクラスでの日常が始まる。
帰りのホームルームが終わる頃には、クラス内でのグループが一通り決まった感じだ。女子の大きなグループ、男子の大きなグループ、男女小さなグループなど、三年目にも差し掛かろうとする高校生活は友達を固定してしまう。
「それでは、今日はここまでです」
三年生になって新しく赴任してきた酒井先生の挨拶で三年生一学期の初日が終了となる。
「明日からは早速通常の授業が始まるので、今日配布した時間割をしっかりと確認をして忘れ物がないように気を付けてください。それでは今日一日お疲れ様でした、さようなら」
さようなら、という全員の声がクラス内に響き渡る。
そそくさと教室を出る人や、友達のもとに行き雑談を楽しむ人、部活動の準備をしている人など様々だ。今日は信雪と帰る約束をしていたのだが、職員室に用事があるとのことで帰ってくるまで教室で待つことになっている。
隣の席の楓は一人で教科書を広げて勉強している。いつもテストで上位にいるところを見ると努力家だというのが分かる。勉強している様子をチラチラ見ていたら嫌そうな顔をされる。やっぱり嫌われてるんだろうなと内心思う。そんなことを思っていると信雪が教室に戻ってきたので席を立ちバッグを持つ。
そして迷ったが楓に帰りの挨拶をすることを決心する。
「楓さん。また明日ね」
昔みたいに楓のことを呼べないけど、よそよそしくなってしまったけど、久しぶりに声を掛けたことは進歩だろう。彼女は呆気にとられた顔をして、直ぐにハッとした顔になり、勉強に戻った。
仕方ないけども寂しさがこみ上げる。そうして俺と信雪はクラスを後にしてこれからのことを雑談しながら家に帰った。
「久しぶりに話してくれたけど、何も言えなかった」
久しぶりに琉ちゃんが話しかけてくれたのに、でもなんかよそよそしくて昔のようには話してくれないんだと思って、胸がギュッと締め付けられたようになる。時間とは残酷なもので昔はあんなに仲が良かったのに関係性が変わってしまった。
「もしも、私がもっと話しかけてたら私は琉ちゃんの隣に入れたのかな……」
私のため息交じりのつぶやきがクラス内に空しく響いていた。
少しでもいいなと思ってくれたら、評価とブクマしていただけると更新モチベの励みとなります…!