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国友鉄砲鍛冶衆の娘  作者: 米村ひお
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ひみつのばしょ

 

 川に飛び込んだ長老の腕に抱かれているたくみは、水中で必死に息を止めていた。


「息をしても大丈夫だ、さっき、まじないをかけてやったからな」


 言われても信じがたかったが、もう息が続かず、口を開いて思いっきり息を吸えば。


「……息できる」


 口に入ってきたのは水ではなくて空気だった。


「言っただろう、まじないをかけたと」


「長老のまじない、すごいね」


 そう言って辺りを見渡すたくみの目に映るのは、石がごろごろした川底がずっと下のほうにあって、見上げれば川面もだいぶ上にあるらしい。

 長老は巨体を感じさせない鮮やかな泳ぎで迷路のような地形をすいすいと進んでいった。


「あがるぞ」


 急上昇に耳が痛くなるのを堪えていると、たぷん、と水面に顔が出た。


「ここは?」


「琵琶湖の中にある水中洞窟だ。陸からはそう簡単に近づけない。俺の秘密の場所だ」


 上陸してみると、髪も服も、全く濡れていなかった。長老の力はすごい、と感心しながら辺りを見渡すと、長老は壁際に置いていあるランプに火を入れ、暗闇だった洞窟が光に浮かび上がった。


「昔は菜種油の行燈を使ってたが、今じゃランプだ。時代の流れと言うやつだ」


 声が響く洞窟は、肌の粗い岩石で出来ていた。奥はもっと深いらしい。天井が高く、とても静かだ。




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