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国友鉄砲鍛冶衆の娘  作者: 米村ひお
68/381

変化

 

 *


「きゃんぷ、どうだった」


 国友鉄砲ミュージアムの二階展示室で、一本たたらは言う。


 “楽しかったよ。テント張るの大変だった、夕方マシマロ焼いて食べたの美味しかった。中がチョコだったの。そうだ、ちくぶじまも行った”


 たくみの話を楽しそうに聞いていた一本たたらは、最後のちくぶじまにやたら反応した。


「竹生島行ったのか?」


 鼻の穴を広げ、興奮気味に問われたが。どうしてそんなに興奮しているのか、たくみにはよくわからない。


 “行ったよ。お寺で達磨さんに願い書いて、神社でお皿投げた”


 きょとんとしつつ、答えれば。


「あの島には蓑火がいるが、会ったか」


 大きな一つ目を瞬かせている。


 “うん、会った”


 一本たたらの真意が分からないたくみが、いぶかしげに答えると、


「そぉかっ! 会ったか!」


 そう言ってその場で宙返りをして、喜んでいる。


 “たたちゃんうれしい?”


「なんか感動して来たぜ、俺ぁ」


 一つ目を潤ませて、何かを懐かしむように視線を漂わせていた。


 たくみは、その様子をしばらく眺めていたが。さすがに間が持たなくなって、


 “たたちゃん、鍛冶のこと教えて”


 静かに問いかけると。


「おぉ、悪ぃ、浸っちまってた」


 鋭い爪のついた指で目元を拭い、鍛冶講座を開始するのだった。



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