表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国友鉄砲鍛冶衆の娘  作者: 米村ひお
日吉神社の燈明祭
46/381

絶対絶対絶対入っちゃいけないんだからな

 男の子は恐れおののいて問うが、何か見えた、などと言えば変人扱いされるのは分かっているから。


「見てみたかっただけ」


 サラッと返すと、子供たちは盛大な溜め息をついて体勢を戻していた。


「はぁ、……続けるぞ」


 気を取り直して、男の子は言った。


「でも、その泣き声、あの部屋から聞こえたんじゃない、地下室のほうから聞こえてきたんだ」


 すると、子供達は途端にざわつく。


「開かずの扉の亡霊が地下室に行ったんだ」


「いいや、地下室にも亡霊がいるんだ」


「どちらも入っちゃいけないってシスターがいつも言うものね、きっとそうよ」


 子供たちの話を聞いていた男の子は、そうだな、と相槌を打って。


「その部屋に入ったら呪われるって言い伝えがある。だからたくみ、絶対絶対絶対入っちゃいけないんだからな」


 そう言われると入りたくなるな、とたくみは思う。すると、ある子供が言った。


「なのに、線香花火で負けたら部屋に入らなきゃいけないんでしょ? 呪われたらどうするのさ!」


「ん?……そうだな」


 男の子は腕を組んで考える振りをしてから、


「なるようになる!」


 と拳を握っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ