38/381
全国のちびっ子に悪影響
「たたちゃん、それ、おし――」
「おいおいおいおい、それ以上言うな。全国のちびっ子に悪影響だろ」
「ばっちぃもの、耳に入れない」
「ばっちいとは何だよ、おれ様のケツ……おっといけねぇ、今のは忘れろ。有難い毛、だぞ」
「有難くないし、入れたら何が起こるか、イミフー」
「意味不明をイミフーって略すのか、今の子供は……」
呆れたように一本たたらは言った。
そして、お尻……あ、いや、有難い毛をずいと見せ付けて。
「この有難い毛は俺の分身になるんだ、耳に入れりゃ勝手に頭へ入る。こいつを頭に入れときゃ、言葉を使わなくても、思うだけで俺と話が出来るようになるって寸法だ。便利だろぅ?」
「たたちゃんが頭に入るの……!」
余計怖い、とたくみは思うけれど。このまま何もしなければ、一本たたらとお話したい欲求は解消されないだろう……
―でも……
次第に、色んな感情がせめぎ合いはじめる。





