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すなわちオタのますとあいてむ
火熾しの様子、テント、ランプ、ロープなどの道具は丁寧に描かれ、それからにこにこ顔の棒人間がおまけ程度に描かれている。
たくみの描いた絵を見上げて、圭は言う。
「サバイバルだな」
「うん、サバイバルだよ」
「あの黄色いのは何だ?」
「あれ、さいりうむ」
「さいりうむ?」
「暗いところで光る。水の中でも使える、かさばらない、電池要らず」
「便利なんだな」
「すなわち、おたのますとあいてむ」
抱っこされながらにこにこしているたくみに、圭はかける言葉が見つけられなかった。





