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家のルール
その夜。部屋の明かりが消えると、窓から月の明かりが差し込んで、青白く部屋を照らしている。
たくみがベッドに潜り込むと、上のベッドから圭の声が聞こえた。
「なぁ、起きてるか」
「おきてる」
見回りをするシスターに聞えないくらいの音量で話す。
見つかれば、罰は免れない。
「鉄砲ミュージアム、気に入ったのか」
「うん、また行きたい。でも神父が一緒でないとだめ、ざんねん」
「そんな事ないぞ、あそこは小学生と一緒ならいつでも行っていいって神父が決めたんだ」
「じゃあ、圭ちゃん一緒に行ってくれる?」
「おー、いいぞ。他のやつも誘って、帰りは公園で遊ぼうな」
「うんっ」
たくみは幸せな心地で、目を瞑った。