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国友鉄砲鍛冶衆の娘  作者: 米村ひお
ながはま
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はいいろのしわしわ2

 

 たくみの進行方向に彼らはいる。だんだん距離が縮まってゆくと、二人は何か話している様子だった。

 けれど不思議なことに、話し声は全く聞こえてこない。


 ―二人で何話してるんだら


 散歩の列の最後尾を歩くたくみが、もの静かな灰色でしわしわの彼らとすれ違おうとした、その時。

 なんと、男らは同時に、それも揃って振り向いた。

 見事に揃った動きに驚くたくみは、足を止めてしまう。すると、彼らの開いているか分からない垂れ目と、ガッチリ目が合った様な……


 何も言わない灰色の彼らに見据えられるという沈黙の時が、たくみの胸をざわつかせる。

 妙な居心地の悪さに心臓がドシドシ音を立てて、体を強張らせていると――

 なんと、彼らは揃った動きで小さく会釈をしたのだ。


 そしてじっと、ただじっと、たくみを見上げている。


「……おはよ、」


 恐る恐る声をかけると、

 変化のない表情ではあるけれど、どこか満足げな雰囲気で……

 灰色でしわしわな二人は、静寂の会話に戻っていった。


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