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国友鉄砲鍛冶衆の娘  作者: 米村ひお
ながはま
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さんさいのれきじょ

 

 *


「めぐみ園から、北条たくみを連れて参りました。ほら、ご挨拶を」


「ほうじょうたくみ。さんさい」


 通された応接間で、先生に促されたたくみは指で三を作って見せた。

 先生とたくみの前には、カソックに身を包んだ中年の男と、ベールを被り修道服を身につけた三十代くらいの女がいた。


「遠いところ、よく来ましたね、待っていましたよ」


 関西訛りの男は先生とたくみを交互に見て柔和に笑い、膝を折ってたくみと視線を合わせた。


「私はこの教会の神父、木村重里です。神父、と呼んでください」


「しんぷ、たくみはれきじょ」


 たくみは突然言い出してにかっと笑うと、神父は目を丸くした。


「れきじょ、ですか」

「せんごくじだいさいこー。お城見に行きたい」

「そうですか、実は私も戦国時代が好きなんです。よかったら、一緒に史跡巡りしませんか」

「する! やくそく」

「はい、約束です」


 たくみが小指を出すと、神父は小指を絡ませた。

 絡まった小指が離れると、女が腰を折ってたくみと視線を合わせ。訛りのない柔らかい声音で告げた。


「私はシスターマリー。シスターと呼んでください。たくみちゃん、これからよろしくね」


「うんっ」


「育みの家を紹介するわ。こっちよ」



 シスターに連れられて、たくみは部屋を後にした。






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