表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

暗い、星のない空から冷たい雨が降り出していた。


既に夜半を過ぎ、暗緑色の玄武岩が敷き詰められた街路を歩くものとてない。

暗緑色は古都セルニアを象徴する色である。

それは雨に濡れると更に色を失ってしまう。

北方随一の富裕を誇るセルニア。

だがその見かけは沈鬱なものである。

暮らす人々も同じく、何気ない鬱屈を額に貼り付けて日々を送っている。

おおむね平穏な日々を。


だが、そうはいかない者もいる。

理由は様々あるが、最も卑しきも、王のごとく尊きも、その別はない。

後者の例を挙げるなら、セルニア有数の旧家の当主であり貴族、アルル伯爵ユーグはその最たる人であろう。

彼は貴族として極めて大きな名誉と富を持つ羨むべき境遇であるが、下々のものには殆ど知られず、社交界ではなんとはなしに忌避されており、最も近しいものたちからは恐怖されている。


この理不尽のわけはただ一つ。

彼が動く死体リビングデッドだったからである。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ