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クリスマスプレゼント

 12月、街は電飾などで彩られ、多くの行き交う人で賑やかになっている。クリスマスを目前にした、1週間前の土曜日。2人は、某商業用ビル9階のカフェで休憩していた。もう付き合って4回目のクリスマス。お互い誕生日や、特別な日などでプレゼントをたくさん交換しあっている。彼は財布や鞄など。彼女は美容グッズや、アクセサリーなど。彼はもう欲しいものはなくなっていた。

 カフェでゆっくりしていると、時期も時期なのかクリスマスの話になった。彼女は、今年は節約したいのか「クリスマスプレゼント、5千円のピアスがいい」と言ってきた。すると「じゃあ俺は」と言い、人差し指を出した。彼女が「えー1万円」と言ってきた。彼は「違う違う」と言い返した。じゃあ「何?」と彼女が聞くと、彼は「上のレストラン」と言った。

 最上階10階のレストランは夜景が展望でき、リーズナブルな価格で、若者のあいだで人気のレストランである。彼女は「なんだー、そういうことね」と言い、手元の紅茶を飲みながら微笑んでいた。

 そして、クリスマスイブ当日、彼女は彼と約束したビッグマンの前で待っていた。待ち合わせの時間が10分ぐらい過ぎた。彼女は心配したので「どこ?」と彼にラインを打った。「ごめん、15分遅れる」とラインが返ってきた。15分後、彼は片手にヨドバシカメラの小袋を持って、後ろ手で頭を搔きながら「ごめん、電気シェーバーを買っていて遅れてしまった」と謝った。

 それから、予約していた某商業用ビル10階のレストランへと向かった。料理はディナーコースであった。一品ずつ出てくる料理で、2人は照れながら「おいしいね」「おいしいな」と言葉を交わしながら、コース料理を食べていった。最後の一品、デザートを食べ終わり、お腹いっぱいになった2人、少し沈黙が続いた。その後、彼はヨドバシカメラの小袋を、何やらごそごそしていた。

 そして、その袋から小さな青い箱がテーブルの上に出された。彼は緊張した面持ちで「僕と結婚してください」と言い、箱を開けた。そこには、おそらく高いであろう結婚指輪が入っていた。彼女は嬉しさのあまり涙がこぼれていた。「はい、こんな私で良ければ‥」と返答した。プロポーズは成功し、彼も笑みを浮かべ喜んだ。

 彼女は「じゃあ会計は、私が払うね」と言うと、彼は「もう払ってあるよ」と言った。彼女は「私クリスマスプレゼント、何もしてない」と言うと、彼は「君のプロポーズのOKが最高のクリスマスプレゼントだ よ」と言ったのであった。

 その時、空からは白い雪がパラパラと降り始めた。窓から見える街の様子は、ネオン色に輝きホワイトクリスマスへと変わっていった。  

                             おわり


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