妹を背負投げしたら、窓を突き破って隣の家のリビングまで吹っ飛んだ話
中学校での授業を終えて帰ってきた。
誰も居ない家。
リビングに妹のランドセル。
遊びにでも行ったのか。
冷蔵庫を開ける。
何かないかな?
できればブルボンのチョコリエールなんかがあるといいな。
あれを冷やして食うとうまいんだぁ。
おやおや。
プリンがあるぞ?
これはこれは、なかなか気の利く母親だな。
では、さっそく。
※ ※ ※
「ない!私のプリンがない!!」
妹が絶叫する。
「なんだアレお前のだったのか」
「まさか食べたの?」
睨みつけてくる妹。
「うるせえんだよ」
俺は妹を背負投げした。
が、
妹の体重が軽すぎたのか途中で腕がするりと抜けて、
妹が吹っ飛んだ。
うちの窓を割りそれでも勢いの止まらない妹は、
さらに隣の家の窓をも突き破って、隣の家のリビングに落下した。
流石にやり過ぎた。とも思ったが。放っておいた。
※ ※ ※
朝。いつもの朝。
リビングで朝食。
割れた窓はガムテープで塞がれていた。
ふと、隣の家の方を見ると、
妹が楽しそうに隣の家の老夫婦と食卓を囲んでいた。
妹は隣の家の子になったようだ。