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三吉友美の事件簿 Fの悲劇  作者: 大瓦 啓介
7/12

6 野次馬ニュース

ある日の午後、春本は昼食時にいつも見ている「お昼なんです!全員集合」というニュース&バラエティ番組の人気コーナー、野次馬ニュースに見入っていた。


野次馬ニュースは、事件を毎日1件取り上げて、警察発表や新聞、独自取材などで事件を見直し、判りやすく独自の解説をしているコーナーで、政治・国際問題から殺人事件や芸能、家庭内問題まで幅広く取り上げている人気コーナーである。


それによると、川沿いに設けられた小さな駐車場で、駐車していたメタリックグレーの乗用車からフリーターの横山勇が変死体で発見された。


死亡推定時刻は、死因は青酸化合物の嚥下によるもので、3月16日の16時から18時頃と推定。

車の中で、被害者が飲み残したと思われる缶チューハイはコンビニで買ったらしいが、青酸化合物が検出され、ワープロで書かれた遺書らしきものがあり、当初は自殺と思われた。


しかし、携帯の着歴から死亡推定時刻の1~2時間後の18時から19時に複数の携帯から何回も着歴が有った。

調べてみると、コンパにくるはずが来ないというので、合コン仲間からの連絡であった。


彼らは、「ちょっと寄り道してからという連絡があった」

「絶対自殺ではない。あいつは人を犠牲にしても自分は助かろうとする奴だ」

「今回は、あの娘を合コンに誘ってくれと、必ず行くからと頼まれた」

「纏まった金が入る、あの娘とうまくいったら次回の豪勢な合コンの費用出してやると言っていた」などと証言した。

警察は、自殺・他殺・事故の側面から捜査をしていたが、遺書があることから自殺説に傾いていた。


しかし、コンビニで買ったにも関わらず缶チューハイに本人の指紋のみ検出され、遺書らしきものに指紋が何もないこと、被害者の身辺から青酸カリの入手ルートが浮かんでこないことなどから、自殺・事件の両面で捜査することになったと報じている。


車の後部座席に小型カメラがあったが、記憶データは全て消去されており、記憶媒体であるSDカードは入っていなかった。

口径の合わない超望遠レンズを含む交換レンズ群があり、それに合うデジタルカメラ本体は無かった。


被害者の鞄の中に少量の覚せい剤と図書館の本が発見され、問合せた結果、先日強盗殺人で奪われた鳩目図書館の本であることが判明した。


この本には、指紋が無数に検出され、被害者2人の指紋も検出された。

170ページと171ページの間に消しゴムのカスが僅かに残っていたという。


通り魔の仕業として通り一遍の捜査しかしていなかった鳩目警察は、連続殺人事件に発展しただけでなく、どうやら覚醒剤絡みもあり、慌てて合同捜査本部を設置した。

しかし、一週間経っても有力な手掛かりは出てこなかった…と言うものであった。


書斎に戻った春本は、探し出した17日の新聞朝刊から顔を上げ、暫く視線を中空に漂わせていたが、やがてコードレスホンに手を伸ばした。

「もしもし…春本だけど、横山という人のことだが…」



捜査本部の聞き込みも思わしく無かったが、野次馬ニュース放送のあとで、横山の友人の一人から、「作家の春本隆の自宅を調べていた。下見も行った筈」という情報を得た。

とはいえ何の接点もないので、ファンとして会いたかっただけかもしれない。


刑事2人が春本宅を訪問しようとしたときは、春本には話を聞けない状況になっていた。


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