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【短めの連載モノ】姫様は姉姫様に敵対する者全部がお嫌い  作者: 下菊みこと


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5/7

姉様に打算で近づくな死ね

「ねえ。貴方方は、自分が何をしているか分かっていて?」


我が国では当たり前といえば当たり前、それぞれの姫に離宮が与えられている。


その中のローズ姉様のためにある離宮。


私は、ローズ姉様にすり寄って「新作の香油です」「お肌に合いますわ」と、下卑た媚を売っている他国の商人と、それに同調する取り巻きの令嬢たちを冷たく見下ろし…たかったのだけど、まあ見上げました。


四番目の姉、ローズ姉様。


私と同じく側室のお母様を持つ姉様は、おっとりとした癒やし系で、私を膝に乗せては「ラーナは本当にお人形さんみたいに可愛いのねぇ」と、ふわふわした笑顔で甘やかしてくださる天使のようなお方です。


でも、その〝おっとり〟に付け込んで妙な品物を売りつけようとしたり、辺境の国への輿入れを「あの姫は愛されていないのではないか」とか嘲笑いながらもちゃっかり取り入ろうとする輩が後を絶ちません。


「あら、ラーナ姫殿下。ローズ姫殿下も喜んでいらっしゃいますし、子供は口を出さない方が…」


「『子供』? 誰のことかしら。この場にいる中で、一番冷静にこの商品の『関税逃れ』の証拠を掴んでいる私のことかしら?」


私は手元の扇をパチンと閉じました。


彼らは顔をこわばらせる。


「ローズ姉様が嫁がれる辺境の国は、我が国に匹敵する経済大国。そこへの繋がりが欲しいのは分かりますけれど、姉様の善意を利用しようだなんて…貴方方、身の程を知りなさい。さらには粗悪な香油を王室御用達に格上げしようだなんて。…ふふ、その図太い神経、いっそ感服いたしますわ」


「な、何を…! これは最高級の……!」


「黙りなさい。姉様を甘やかして良いのは、お父様、お母様方、リーシェ姉様、ルージュ姉様、レオナ姉様、そしてこの私だけですわ。…それ以外の人間が姉様に与えて良いのは、『敬意』と『利益』だけ。それ以外の物は、私がすべて排除します」


一歩、あどけなく可愛らしく見える足取りで歩み寄ります。


でも我が瞳には王族としての誇り、そして「シスコン」の執念を込めて。


「今すぐその下等な荷物をまとめて立ち去りなさい。それとも、今夜の晩餐の場で、お父様に『最近、変な羽虫がローズ姉様にたかっている』と泣きついて差し上げましょうか?」


「ひ、ひぃっ…! 失礼いたしました!」


蜘蛛の子を散らすように去っていく商人と令嬢たち。


ふぅ、と毒気を抜いた私の背中に、ふわりと温かい感触が重なりました。


「まあ、ラーナ。また私のために怒ってくれたの? ありがとう、本当に可愛い妹ね」


ローズ姉様が、私の頬に自分の頬をすりすりと寄せてきます。


あぁ、姉様の香りはさっきの香油なんかより、ずっと高貴で癒やされますわ…。


「ローズ姉様、いいですか?姉様は優しすぎますわ。もっと人を疑ってくださいませ」


「ふふ、いいのよ。私には、こんなにしっかりした騎士様がついているもの」


そう言って、ローズ姉様は私を抱き上げ、美味しいお菓子を口に運んでくださいました。


あぁ、幸せ…。


しかし私がローズ姉様の騎士様か、良いな。


…さて、これで姉様たちの「害虫駆除」は一通り終わりましたかしら?


とはいえ、次は私たち姉妹を溺愛しすぎるお父様の暴走を止めに行かなくてはなりませんわ。

高評価、ブックマークなどありがとうございます!とても励みになります!完結まで頑張っていきますので、楽しんでお付き合いいただければ幸いです!

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