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【短めの連載モノ】姫様は姉姫様に敵対する者全部がお嫌い  作者: 下菊みこと


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10/11

番外編 主人公の活躍の裏で大人たちは

「さて。我が家の愛くるしい天使たちが、今日も今日とて国を平和に保ってくれているようだが」


リュキア王国の奥深く、公式な会議よりも重要な「国王夫妻会議」が開かれていた。


国王エドワード、王妃イザベラ、そして側室のアン。


この三人は、周知の通り〝王宮の平和の象徴〟と言われるほど仲が良いが…。


「エドワード様。リーシェは最近、王太女としての威厳に磨きがかかりましたわ。ラーナがいなくても婚約者のエリオット君をあんなに〝優雅に〟躾直すなんて、将来が楽しみですわね」


側室のアンが、実の娘であるリーシェを慈しむように微笑む。


「ええ、アン。でもルージュも負けていないわ。あの子の騎士団内での模擬戦でのあの冷徹な瞳…そして剣技…私の若い頃にそっくりで、つい見惚れてしまったわ」


正妃イザベラが、自らの腹を痛めたルージュを誇らしげに語る。


国王は、二人の美しき妻たちの会話に深く頷く。


「うむ。レオナとローズも、嫁ぎ先で〝狂犬〟…もとい、愛の守護者として名を馳せるのは明白だ。だが、問題は……」


三人の視線は魔法の鏡に映し出された末娘、ラーナに注がれる。


そこには、姉たちのために毒を吐き、権力を振りかざし、優雅に微笑む八歳の幼女の姿。


「ラーナは…天才だ」


国王が、震える声で感極まったように言う。


「八歳にして、姉たちのために〝自分を悪役に見せる〟という高等技術を使いこなしている。あの子のあの冷ややかな〝ゴミを見るような目〟! あれこそが、リュキア王国の未来を守る最強の抑止力だ!」


「本当ですわ、エドワード様。あの子がいる限り、我が国に不届きな者は一人も寄り付かないでしょう」


「娘たちの嫁ぎ先の隣国や辺境の国も、ラーナという〝最強の守護者〟を恐れて、あの子たちを一生大切にするでしょう。ラーナによる実質的な大陸統一も近いですわね」


王妃と側室は、うっとりとラーナの活躍を見つめている。


「では、国の今後についてだが」


国王は、真面目な顔で宣言する。


「ラーナが動きやすいよう、彼女の『毒舌』と『断罪』を全面的にバックアップする特別予算を組もう。我が国の国策は【姉妹愛こそ正義】。ラーナが成人する頃には、この大陸から我が子たちを貶める愚か者は絶滅しているはずだ」


「「賛成ですわ」」


三人の親たちは、未来への希望に胸を膨らまる。


彼らにとって娘たちが暴れ回る光景は、何よりも平和で何よりも幸せな〝リュキア王国の日常〟なのだ。


「さあ、ラーナに新しい『断罪用の扇』を特注しましょう。もちろん、隠し武器が仕込める最高級品をね!」


親たちの歪みない愛に支えられ、リュキア王国の〝過保護で苛烈な平和〟は今日も盤石なのだった。

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― 新着の感想 ―
理解ある親でよかったなあ。仕込み扇はいいぞお(うたわれるものを知ってからの憧れ
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