8話「初めての友達」
#8話「初めての友達」
ざまぁを終えた俺は、ある意味“自由”だった。もう復讐はしなくてもいい。
柴田も岸本も潰した。担任の村井も社会的に粛清した。とりあえずは思い残すことはない。
心の中には達成感があったが――同時に、どこかぽっかりと空いた空白もあった。
復讐は気持ちが良いが、、、それだけでは駄目だな。
やはり自分の人生を楽しむ必要がある。
「さて、楽しむとすれば、、、次は……女か?」
そんな軽口を一人つぶやいた。
だが、すぐに思い直す。
今の俺でうまくいくか?
俺は前世で、女っ気なんてまるでなかった。
恋愛なんて、雑誌やドラマの中の話。告白もされたことがない。
高校時代、好きだった水川に勇気を出して告白したが「気持ち悪い」と言われた。
一瞬、その水川への復讐も考えたが別にそこまでする必要もないと思いとどまった。別に告白しなければいいだけの話だ。他に犠牲者がいるわけでもない。
どううする?
今なら多少の経験もあるから告白がうまくいくかもしれないが、、、冷静に考えて失敗する可能性の方が高いよな。そうなると面倒だ。女友達同士で共有されたら教室でのいごこちが悪くなる。
そうだ。
女は将来的に金ができてからでも遅くはない。おそらくその方がやりやすい。
そして高校生のうちにしかできないことがある。
それは友達を作るということだ。
前世ではいじめにあって友達どころではなかったからな。
「じゃあ、まずは……友達からだな」
こうして、俺の“学生生活を楽しむ”計画が始まった。
***
その後、俺は同じクラスの仲間と積極的に関わることにした。
放課後、コンビニ前で買い食いしてくだらない話で盛り上がった。
ファミレスで長居して、互いの好きな漫画やゲームを語り合った。
部屋に集合してテレビゲームで競い合った。
時にはくだらないことで言い合いして喧嘩もした。
学園祭の準備で、徹夜に近い作業をして、帰り道に眠気と笑いを分け合った。
はっきり言って無駄な時間ばかりを過ごしたような気がする。でもそれが心地よかった。前世では1人で死ぬほど退屈だったが友達と一緒にいると楽しい。復讐ですさんだ心が満たされていくのが分かった。
そんな日々を通して、自然と“仲間”ができていった。
特に仲がよくなったのは3人。
上村――ツッコミ担当の軽口野郎。
岡本――物静かで頭のキレるタイプ
そして、前世では俺より前にいじめられていた佐藤くんだ。
そう。あの佐藤くんとも、よく話すようになったのだ。
「一緒に帰らないか?」
「やっぱり、お前ってすごいな」
そんな言葉に、少しずつ心が和らいでいった。
「……また一緒にバイトでも探すか」
「いいね。今度はファストフードでも応募してみる?」
俺たちは笑い合った。
(ああ、友達がいるって楽しいな。こんな日々を前世でも経験していれば、何か違ったのかもしれないな)
俺は気づけば、“本当に楽しい”と思える時間を過ごしていた。
何か成果を出すわけでもない。何も生まれない。無駄なだけかもしれない。大人が見ればきっと呆れることだろう。
でも一緒にコンビニでアイスを買って、校舎裏でだべるだけの時間がこんなに心地よいなんて知らなかった。
まるで時間は無限にあるかのようだ。くだらないことばかりして遊んだ。そのどれもがキラキラしていた。
大人になってからの人生では味わえなかった“些細な幸せ”が、そこにはあった。
こういうのが青春、そして友達ってやつなのかもしれない。
今回の人生はうまくいっている。いい感じだ。
――こんな日々が、ずっと続けばいいのに。
俺はふと、そう願っていた。
だが――
それは“思い上がり”だったのかもしれない。
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