第57話「最後の選択」
#第57話「最後の選択」
最初に口を開いたのは、水川だった。
「私はね。慎也に冷たくしたことが、ずっと引っかかってて……。だから、何とかして接点を持とうって考えてたの」
彼女は少しはにかみながら、それでもまっすぐに俺を見て続けた。
「再び声をかけてくれて、本当に嬉しかった。慎也のこと、好きになった。そして慎也も私を好きになってくれた。あの時間は私の宝物だった」
でも、と彼女は目を伏せた。
「慎也が私のことを気遣って苦しみだして……私、本気で“死んでもいい”って思ってたの。あなたを苦しみから解放したかった。なのに、慎也が私の代わりに死んじゃうなんて。ほんと、ひどいよ」
俺は言葉を失った。そうだ。俺は彼女が自殺するのを防いで代わりに死んだんだよな。
「タイムリープしてるってこと、どこかで伝えようと思ってた。でも、それを言えば私だけ終わってしまってあなたを苦しめるかもしれないと思って言えなかったんだ。ごめんね」
俺は首を振った。水川は何も悪くない。
次に話し出したのは佐々木だった。
「私は黒崎君が、ただ純粋に気になってただけ。普通に好きだったよ。信用してくれてたのは素直に嬉しい」
彼女は少し照れたように笑う。
「悔しいことに私だけ恋愛には発展しなかったけどね。それはちょっと残念。でも、まあ……仕方ないか」とちょっと膨れていた。
「私も黒崎君がタイプリープしていることは気付いていたよ。でもタイムリープしていることを伝えて私だけが終了するのは違うと思っていたんだよね」
そっか、佐々木もタイムリープしていて俺がタイムリープしていることに気付いていたのか。
堀田はニヤリと笑って言った。
「黒崎は見てて飽きなかったよ。もうちょっとガチで殴り合ってもよかったけどな。まあ、それも今となっては思い出か」
「俺はもう少しタイムリープを続けてもいいとは思っていたけど、こうやって久しぶりに神様に会えたしな。お前の選択を聞いてから、俺のタイムリープを終わるかどうか考えようと思う」
そして、最後に霧島先生がゆっくりと口を開いた。
「となると、一番関係が深かったのは私かな?」
と若干勝ち誇ったように微笑む彼女の目には、少しだけ涙が浮かんでいた。
「黒崎君、ごめんね、急にいなくなって。でもね、関係が深まれば深まるほど、別れが辛くなると思って……最悪あなたが立ち直れなくなると思って。だから、あのタイミングで去ったの」
俺は言葉に詰まりながらも、胸の奥で何かがほどけていくのを感じていた。
「……そっか、みんなタイムリープしてたんだな」
思い返せば、どこか都合が良すぎる展開が多かった。でも、みんながタイムリープしているとすればそれも全て納得がいく。
タイムリープしている人間って意外と多いんだ。もしかしたらこの4人以外にも俺の人生の中でタイムリーパーがいたのかもしれない。
すると神様がにやにやしながら口を挟んできた。
「それで、どうするんじゃ? これでタイムリープは終わりということでええのか? それとも、新しい条件でもう少し続けてみるか?」
俺は静かに目を閉じて考え、そして答えた。
「神様、俺は……〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇を選択する」
・
・
・
・
答えると神様はにやりと笑った。
「よかろう。それもいいだろう。お前の選択じゃ」
(最終章 完結)
――
彼・黒崎はタイムリープしているうちに再び神様に出会った。タイムリープしてからは初だ。
そしてタイムリープを続けるのか?それとも終了するかの1つの答えを出した。もしかしたらその答えによっては小説の続編が出るかもしれないね。
まあそれはどうでもよいことだ。それよりもここで考えて欲しい。
それはあなたの学校周りでの出来事だ。
例えばいじめのような難題があっさり解決したり、弱弱しい人間が急に強くなったり、もてそうにない人間が急にもてはじめて彼女ができたり…
そして10歳も歳の離れた女教師と男子生徒の関係があったり……
今の教育システムでは何の得にもならないのにいじめを体を貼って頑張って解決する熱血教師がいたり…
こういったことは普通ではありえない。
だからあなたの学校でおかしなことが起こったらタイムリープしている人を疑った方がいい。
すでに高校を卒業した人ならば過去を振り返って欲しい。おそらくそういった状況があなたの近くにもあっただろう。
当然、タイムリープできるのは彼・黒崎を含めた5人だけではない。毎年、相当数のタイムリープがある。
今一度、思い起こして欲しい。急に変わったことはなかったか?そしてその付近で何かおかしな出来事が起きていなかったか?
そういったちょっとした違和感が正解へのヒントになるかもしれない。
もしかしたら、、、今、教室のあなたの隣の席で座っている人もタイムリープしてきた人かもしれない。
それどころか教室の君以外の生徒は全員タイムリープしてきた人かもしれないよ。周りの人を疑って注意して見た方がいい。
そしてね、学校の七不思議なんてよく聞くよね。そのほとんどがタイムリープしている人間の仕業なんだよ。そう考えると自然だとあなたも思うでしょ。
だって彼らは無限に時間があるんだ。暇つぶしに学校でお化け屋敷ごっこぐらいする人もいるよ。陰で驚いている人間たちを笑っているかもね。学校の七不思議の噂の発生源も彼らかもしれないね。
これであなたも学校で感じた違和感が全て解決したんじゃないかな?
じゃあ、機会があればまた会おう。
(本当に最終章 完結)
――
最後までお読みいただきありがとうございます。「50代ニート、タイムリープで高校生に!ざまぁ復讐して無双、彼女も金も自由も掴む!」はこれにて終了です。
もしかしたら続編書くかも?書かないかも?その辺りもご想像にお任せします。
他にもいろいろ小説書いているので以下からチェックしていただければ幸いです。200万PV以上の大作(?)もあるよ!
小説一覧
https://mypage.syosetu.com/mypage/novellist/userid/1339121/




