第36話「堀田との抗争」
#第36話「堀田との抗争」
ある時、仲間が何人か喧嘩でやられたと聞いた。俺の組織は個も強いはず。それなのに何故だ?と思ったがその名前を聞いて納得した。
相手の名前は堀田――かなり強い。前世で一度は無駄な揉め事を避けて、何とかやり過ごせた相手だ。一言で言えばやばい奴だ。俺も1対1では勝てないかもしれない。
だが今回は違う。
こちらには大きな組織がある。堀田は個で強いが確か数人程度の子分がいるだけのはず。こちらは集団で抑え込める力があるから潰すことは簡単だろう。
しかし潰しても反撃で被害が出るのは目に見えている。もちろん完全に潰すのも現実的ではない。
とは言え、もちろん仲間がやられて放置するわけにもいかない。どうするか?
結局、俺が動くことにした。
話を聞けば原因は本当にくだらないことだった。
仲間の一人が堀田の悪口を言ったのがきっかけらしい。堀田の仲間と口論になり、いつの間にか殴り合いに。
早めに話を聞いていたならば簡単に収まる話。しかしながら話は進んでしまった。
派閥ができた今、面倒な連中が煽り立て意地の張り合いになることが増えた。そして今回はその小さな火種が大きく燃え上がった。まさに組織の弊害だ。
とにかく、すでに動いてしまった話だ。俺が話を納めるしかない。俺は堀田に直接会うことにした。
そうして待ち合わせの場所に行った。お互いの取り巻きが睨み合う中、俺と堀田だけが前に出る。
俺はまず話を収めようとした。
「原因は些細なことだろ。丸く収めよう」
「ふざけんな。こっちは最初からそうしようとしていた。襲撃までしてきて話を大きくしたのはそっちだろう。仕方なしに反撃した結果が今だ。丸く収めるならトップのお前が全面的に謝罪でもしろよ」
思わず笑みがこぼれる。ああ、そうだよな。堀田はこういう奴だった。曲がったことは大嫌い。ここまできたら簡単に丸く収めることなどできないだろう。
そして、どちらにも被害が出ている状況。トップの俺が一方的に謝罪することも不可能だ。さすがにそんなことをすれば全ての派閥が俺からそっぽを向く。
仕方ない、1対1のタイマンで決めるしかないか。
「ならトップの殴り合いで決着だ。それで文句はないな?」
堀田は笑った。「上等だ」
ああ、俺は馬鹿だ。組織の大きさで言えば断然にこっちが上。普通に組織同士でぶつかればこちらが圧勝する。そうするのが現実的なんだが……
でも俺はタイマンを選んだ。本当に馬鹿だ。結局俺はこういうのが好きなんだよ。
睨み合いの空気が張り詰める。先に動いたのは堀田だった。拳が飛んできて殴られた。やっぱりこいつは強い。身構えて意識していたのにかなり痛い。
「おい。何でわざと殴られた!」堀田が怒り出した。
「何を言っている。殴り合いとはそういうものだろう!」
そして俺は堀田を殴り返してやった。堀田もよけなかった。
「お前も馬鹿だな。何でよけねえんだよ」
「何を言っている。殴り合いはそういうものだと言ったのはお前だろう!」
さてこのまま何度か殴り合いをすれば決着がつく、そう思ったがすぐに終わってしまった。
堀田が降参してきたんだ。
「まいった、俺の負けだ。降参だ。組織が大きいからそのまま抗争をすれば楽に勝てるだろに。こうやってわざわざタイマンにして、しかも最初にわざと殴られるとかあり得ない。全てにおいて俺の負けだ。殴るなり何なり好きにしてくれ。ただし仲間だけは助けてやってくれ」
俺は笑った。そして再び思い出した。堀田はこういうやつだ。
「なにを言っているんだ。丸く収めようと言ったのはこっちだ。要求するものは何もない」
そう言って俺は終わりにした。
「くそっ、何一つ勝てないな。覚えておけ、俺はお前の下につく」と堀田は言い放った。
「好きにしろ」
そうして俺は背中を向け、仲間に言った。「これ以上手を出すな。もしやるなら、次は俺が相手だ。」
「本当におかしな奴だな」
堀田の笑い声が遠くに響いていた。
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