第35話「組織のはざまと派閥の形成」
#第35話「組織のはざまと派閥の形成」
組織が大きくなると、自然と派閥が生まれた。もっと組織を広げようとする過激派。今のままでいいと言う穏健派。そしてどちらでもない中立派。
それぞれ最初の子分3人の元に人が集まり派閥を形成している。
過激派の中心にいるのが「若宮祐斗」だ。俺の方針で以前ほどは自ら喧嘩を売ることはあまりしないがやはり喧嘩っ早いところは変わっていない。時には他の組織を潰してもっと大きく成り上がろうと俺に意見を言うこともある。
一方で穏健派の中心にいるのは「小宮海斗」だ。彼は組織はほっといても大きくなっているのだから無理をする必要はないと訴えている。他の組織を潰しても火種が残る、組織としての弊害の方が大きいといったことを俺に伝えてくる。
そしてどちらでもない、中立派の中心にいるのが「安藤大吾」だ。組織の拡大にはあまり興味がない。そんな話で争うこと自体が不毛という感じだ。考えは俺に一番近いかもしれない。
ただ俺はどの考えが良いとかは特に言わない。現時点で動くことは考えていないとだけ伝えている。正直なところ何が正解か分からないからな。
少なくとも俺は組織を積極的に大きく広げることは考えていない。個々が強くなり助け合うことが目的でありそれは最初から言っている通りだと伝えている。
3つの派閥ではそれぞれが自分の考えを口にするが、だからといって組織を抜けるわけでもなく、勝手に集まっては動いている。面倒なのは、そんな派閥同士が同じ組織内で揉めることだった。
仲間のはずが、方針の違いで対立する。時には殴り合いの喧嘩もする。派閥同士、自分たちの正当性を押し付けようとするからまとまらない。意味のない喧嘩だとは思いつつも個々の考えまで制約していないからどうしようもない。
揉め事が大きくなったら俺が出るしかない。何とか話し合いでまとめようとトップを集めて何度も意見交換をした。一応はその場では収まる。しかしどうしても解決しきれない火種は残った。
これも組織の弊害だろうな。前世でも政党の中に派閥があるなんて話を聞いたが、あれは政治家だけの話ではなかった。どんな集団にもあり得ることだ。やくざの組織内抗争とかも同じなんだろう。宗教が分裂し対立しているなんて話も聞いたことがあるが同じようなものだろう。前世で会社組織とかでも同じような問題があったような気がする。
現時点では俺という強いトップがいるから何とかなっているだけだ。もし俺がいなくなればこの組織は分裂するかもしれない。結局のところ、組織を作っても安泰などないのだ。
だからといって、今からそれをどうすることもできない。高校を卒業したら組織を抜けるか続けるのか。社会人になってもこのままトップとして残るのか、新しい組織を作るのか――いくら考えても答えは出ない。
とにかく、今はやれることをやるだけだ。強い組織を作ることだけを考えた。
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