第32話「面倒でもやるしかない」
#第32話「面倒でもやるしかない」
四度目のタイムリープ。目覚めたばかりの部屋で、俺は深く息を吐いた。
(まずは復讐だ。これを放置したら何も始まらない。面倒だが……仕方ない。)
最初にタイムリープした時は何度でも高校1年生の時に戻れるようにしたことはかしこい方法だと思ったのだが……
現実にはこれが本当に面倒くさい。高校生なんかに戻らず、セーブポイントのように途中に戻れる形にしてもらえばよかった。いざとなったらセーブしたところからやり直す……それならここまで面倒じゃなかっただろう。
はぁ、面倒だが仕方がない。やるぞ。
俺は再び、いじめの主犯格である柴田をメディアを使って潰し、岸本の化けの皮を剥ぎ、いじめを放置した村井を社会的に“処理”していった。
繰り返しの作業が面倒で仕方がなかったが今更どうしようもないことだ。本当にここまでやる必要があるのか?という多少の罪悪感もありその面倒と思う気持ちを後押ししてくる。
それでも俺はこれは社会正義のためなんだ、今俺がやらないと後から被害を受ける人間が出てくると正義感を前面に出すことで何とか復讐を果たした。
あとは……
佐藤はとりあえず放置だ。再び俺をはめようとしたらその時に前回と同じように復讐してやる。そして水川は……必要なときにだけフォローすればいい。佐々木は……どうするか?行き当たりばったりだがとりあえずは適当でいいだろう。
それよりも大事なのは、個人的な強さと組織だ。まず俺は競馬で金を稼ぎ、その次に格闘技で個の力を磨く。そして、そこに組織の後ろ盾を加えていく。
思えば社会的にのし上がっている人間は個の力だけで動いているわけではない。何らかの形で組織を作ったり、組織を利用してのし上がっている。
組織を作るよりも利用するのが一番簡単だろうが現時点では良い方法が思いつかない。まずは組織を作っていくことを考えよう。
俺には力と……お金もある。
人を掌握するのはそれほど難しくはないと思う。
ただな、分かっているんだ。俺の性格がこの組織作りに向いていないことくらい。絶対に面倒になる。放置することになるかもしれない。
でも――やってみなきゃ分からないよな。まだ何度でもやり直せるなら幸せに生きる可能性は全部試すしかない。
(面倒だが……今回は組織作りがメインだ)
そう心の中で呟き、俺はゆっくり立ち上がった。そしてこれまでと同様に変装して競馬場に向かった。
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