第30話「一人の限界」
#第30話「一人の限界」
校内の喧嘩は落ち着き、外からの挑戦も慣れ始めていた。
だが名が知られれば挑んでくる馬鹿は尽きない。そんなある日、机の中に一枚の手紙が差し込まれていた。「佐々木を預かっている、来い」
(まさか佐々木に手を出すとは!卑怯者め……)
胸の奥に冷たい焦りが滲む。
すぐに場所へ向かった。路地裏の倉庫跡、周囲には人気がない。目を凝らすと、薄暗い倉庫の奥に、椅子に縛られた女の影が見えた。
それと同時に周りを囲まれた。集団でバッドなどの武器を持っている。これはやばいな。でも今は佐々木が先だ。
「佐々木! 無事か!」
叫ぶ俺を嘲るように、煙草を咥えたリーダー格の男が立ち上がった。
「馬鹿だな。佐々木なんかいねぇよ。面倒な人攫いなんか、誰がやるかっての。リスクしかないだろうに」
椅子に座っていた女が顔を上げた。全く知らない女だった。やられた……完全に騙された。
完全に罠だった。呼び出された俺は、無防備にも囲まれている。四方にはバッドや鉄パイプを構えた十数人。
(しまった……完全に判断を誤った……)
さすがにいくら格闘技をしていようと武器をもった人間で囲まれたら一人でどうにもできない。
数人は道連れにできるかもしれんがそこまでだ。
「おい、こいつが噂の黒崎だぜ? 大したことないじゃねぇか」
一人がニヤつきながら近づく。
その瞬間俺はそいつの腹を蹴り上げた。崩れ落ちる相手。だが、次の瞬間、背中に衝撃。振り返れば別の奴がバッドを振り抜いていた。
(……くそっ……)
頭が揺れる。膝が沈む。殴られても殴り返した。だが多勢に無勢、すぐに押さえ込まれた。脇腹に鈍い痛みが走り、視界が滲む。
「おい、やりすぎんなって! 殺す気か!」
遠くの声が霞んでいく。気を張っていた意識が、音もなく暗転していった。
くそっ、覚えていろよ……。
……しばらくして目を開けると天井があった。畳の匂い。布団の感触。
さすがに今回はその瞬間に分かった。戻ってきた。戻ってしまったのだ。
(また……俺は……)
俺はまた未熟だった。一人では自分自身さえも守れない。
焦って、罠に飛び込んだ俺の負けだ。
せめて誰か相談できる人間がいれば結果は違ったかもしれない。他にも佐々木に直接確かめていれば。方法はいくらでもあったはずだ。
結局、一人では限界がある。仲間を見つけることも大事だ。
心の奥に、冷たい後悔だけが残ったまま、俺はまた始まりを迎えた。
第三章 完結 次章へ
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こうして彼の3回目のタイムリープが終わった。
でも、ここでちょっと考えて欲しい。
ふだん目立たなかったのに急に喧嘩が強くなって頭角を現した人間があなたの高校にもいたのではないだろうか?
普通に考えてあり得ない話だ。弱い人間はよほどのことが無い限りは強くなろうなんて思わない。
だからそんな急に強くなった人間が近くにいたならばタイムリープを真っ先に疑った方がいい。
他にも急に付き合う人間が変わって喧嘩するばかりする人間の集まりに行くようになった人も怪しい。
すでに高校を卒業した人ならば過去を振り返って欲しい。おそらくそういった人があなたの近くにもいただろう。
当然、タイムリープできるのは彼・黒崎だけではない。毎年、相当数のタイムリープがある。そうして未来から過去に戻った誰かの可能性がある。
今一度、思い起こして欲しい。急に強くなった人間はいなかったか?急に性格が変わった人はいなかったか?急に喧嘩するようになった人間がいなかったか?そしてその付近で何かおかしな出来事がおきていなかったか?
そういったちょっとした違和感が正解へのヒントになるかもしれない。
もしかしたら、、、今、教室のあなたの隣の席で座っている人もタイムリープしてきた人かもしれない。注意することをおすすめする。
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