第21話「冷静な選択と新たな興味」
#第21話「冷静な選択と新たな興味」
見慣れた天井。安っぽい照明。布団の感触――3回目のタイムリープだ。
「……やれやれ、またこの日か」
再び戻ってきたのは199X年4月10日(火)。高校1年の春。もう驚きはない。
そして1回目と2回目のタイムリープを経て失敗の原因はだいたい分かった。
後から考えると恥ずかしいぐらいに俺は純粋だった。友情や恋愛に溺れただからなのか?それとも心が思春期にひっぱられたからなのか?
根本原因はよく分からない。でもそれさえ分かっていれば対策は可能だろう。
その答えは単純だ。冷静になればいいだけ。のめり込まない。常に第三者視点で考える癖を付ければいい。
そうすれば無駄に悩む必要もない。他人や自分に期待しなければ落ち込むこともない。
そして俺には前世の記憶がある。前回のタイムリープでは競馬で大儲けした。他にも稼ぐ方法は山ほどある。変なことにのめり込みさえしなければ、いくらでも幸せになれる。恋愛するのは別に構わないがのめり込んでは駄目だ。
今回こそは冷静にやり直す。それが今回のテーマだな。
(面倒くさいが……とりあえずはまた同じ復讐をやるしかないな。やはり悪は放置してはいけない。俺に面倒がかかっくる可能性もあるしな)
そうして佐藤とは極力関わらず、必要最低限の復讐だけをこなした。カメラも買い直し、証拠を押さえてマスコミに送りつけた。柴田は潰れ、岸本は孤立し、村井は異動に追いやられた。
まあ作業のようなものだ。俺にとっては3回目だから申し訳ない気持ちもあるがこれは仕方がない。もしかしたら再びタイムリープがあるかもしれないからこの気持ちにも慣れていかないと駄目だ。
「さて復讐も終わった……これで復讐は十分だ。次は俺の人生を楽しむ番だ」
俺は感情を切り離し、機械のように動いた。
それは水川のことも同じ。貧しい彼女を助けるのは構わないが、のめり込んではいけない。彼女のために死ぬなんて、もう二度としない。
前回のようにパンは渡したが必要以上に屋上で話し込むこともない。必要最低限の接触で、彼女が死なずに済むように仕向ける。それだけでいい。
「水川を彼女にしてやってもいいが……まあ、面倒だしあの純粋さは俺にとって危険だ。もっと他の適当な女と遊べばいい」
なんだか考え方がゲスだな。でも、それぐらいで丁度いい。
心が急に軽くなった。きっと1回目と2回目のタイムリープでは思いつめ過ぎたのだろう。
まずはタイムリープの利点を最大限に活かす。
競馬の記憶も利用し、変装して馬券を買い数万円を稼いだ。競馬で勝つのも2回目だから楽勝だ。前回よりも記憶が鮮明だし覚えているレースも増えたのも良い方向だ。
念のために記録も付けておくといいかな。再び次のタイムリープがあるかもしれないから念のためにたまに見返して覚えておくといいだろう。
「さて……今回はどうするかな。金もあるからわざわざ高校生活を送るのも面倒だがこれはどうにもならんな、、、次は可能なら社会人からやり直したいところだ」
社会人時代と言えばと、ふと思い出す。同窓会で俺のことを高校の時に好きだったと言っていた女子がいた。名前は確か――佐々木結衣。
いじめられていた俺にも優しくしてくれた子だった。前世ではその優しさが好意によるものだと気が付かなかった。でも今回は違う。
「今回はいじめられていないが、、、もし俺に優しく接してくれるなら……付き合ってやってもいいかもな」
ああ、いい感じだ。このゲスさが今の俺には丁度良い。
純粋な恋や友情なんて、もう懲り懲りだ。
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