17話「幸福の絶頂、そして違和感の正体」
#17話「幸福の絶頂、そして違和感の正体」
それから水川との関係は言葉では言い表せないほど深まっていった。
どこに行くのも一緒に行った。
会えない時間が惜しいと駆けてくる彼女の姿がまぶしかった。
待ち合わせで先に待っている彼女を見るのも嬉しかった。
そして手をつなぐだけでドキドキしていた日々が少しずつ変わって深化していく。
スキンシップが自然になり、会えば肩に触れ、頬に触れ、時には腕を組んで彼女の体温を直に感じた――唇を重ねるのも、当たり前のようになった。そしてお互いに下の名前で呼ぶようにもなった。
そんなある日、俺の部屋に来た水川がふいに言った。
「……今日は、慎也の親いないの?」
「ああ、由梨、そうだよ。今日は夜までは帰ってこないよ」
「そう……」
声は小さく、それでもどこか覚悟のようなものがにじんでいた。
彼女は、少し緊張した顔をしていた。
けれど、こちらが何も言わずにいると静かに微笑んだ。
そして……俺たちは何度もキスを交わした。
彼女は温かい笑顔で俺を受け入れてくれた。
彼女の笑顔を見ているだけで、特別な気持ちになった。幸せだ。
(……本当に、夢みたいだな)
俺は夢中になった。
彼女の笑顔と温もりが、俺の心を満たした。まるで夢のような時間だった。「慎也、幸せだよ」と彼女がささやく声に俺も同じ気持ちで応えた。
「ああ、由梨、おれも最高に幸せだ」
その後、一緒に見つめ合って照れるように笑いあった。ありふれた言葉だけど本当に綺麗だ。この笑顔をずっと守りたい。
おれはずっとずっと、こういうものを夢見ていた気がする。それが現実となった。本当に幸せな瞬間だ。
彼女の笑顔は、俺だけに見せる“素の表情”だった。俺は男としての自尊心も満たされた。全てが満たされていく。本当の幸せだ。
(……ああ、これだ。これこそが、人生の勝ち組ってやつだ)
もはや疑いようもない。
恋ゲーだったら、今がエンディングだ。水川ルートのハッピーエンド。バッドエンドもノーマルエンドも乗り越え、俺は今回のタイムリープでこれ以上ない最高の結末を手に入れたのだ。
そう思った。
……そのときだった。
心の中に、ふいにひやりとした冷たい感覚が走った。
その瞬間、俺は違和感の正体に気が付いたのだった。
いつも読んで頂いてありがとうございます。毎日7時ごろ、20時頃の2話投稿を限界まで続けていく予定です。
ブックマーク、評価ポイント、レビュー、いいね、感想などもしていただけると励みになるかもよ?
その他、何らかの頑張れパワーをいただけると更に頑張れるかもです!
べ、べつに何も無くても頑張るけどね、、、 (^O^)/




