11話「今度は水川を攻略する」
#11話「今度は水川を攻略する」
俺は2回目のタイムリープをした。
前回は失敗した。
でも大丈夫。俺は幸せになるまで何度でもタイムリープできるのだ。
まずは前回と同じように復讐を果たした。
そして、、、今度は水川を標的にすることにした。
タイムリープする前の水川は冷たかった。告白したものの断られ更には「気持ち悪い」とまで言われて切り捨てられた女の子だ。周りには笑われ当時は酷く傷付いた。
しかし今ならばその理由も分かる。彼女は実は貧乏なのだ。だから男に構っている暇もない。「気持ち悪い」という言葉はきついがそんな厳しい状況なのだから仕方がない。
そんな彼女をどうしたら攻略できるのか?
俺はいろいろと考えた。
単純に考えたらお金だ。お金があれば彼女の関心を俺に向けることができる。
とは言え高校生の俺に金策などない。せいぜいバイトする程度だ。それでは足りない、どうする?
しばらくして俺は閃いた。
俺には前世の記憶がある。
俺は休日に変装して電車に乗った。向かう先は――競馬場。変装したから未成年とばれないはず。
前世で見た勝ち馬の記憶がおぼろげに残っていた。
(たしか……この日、この馬が1着だったはず)
念のために単勝と馬連を少額で購入。
結果――的中。
(……やった)
何度も同じ場所はまずいだろう。俺は慎重に日を分け競馬場をはしごして換金し、現金を作った。
新しい財布、少し良い服、そして一部の資金は“次の一手”に使う予定だ。
そう――水川を落とすために。
数日後の昼休み。人の少ない階段で、俺は水川に声をかけた。
俺はここ最近の調査で彼女が屋上に行っていることを知っていた。彼女は自分の昼食を友達に見られるのが嫌で昼は屋上で一人でいることが多い。その帰りを狙ったわけだ。
「……なに?」
彼女は少し警戒していた。俺の目を見ようとしない。
だが、俺は静かに言った。
「お前、さ。無理してるよな?大丈夫か?」
「……何の話?」
「伝え聞いたんだ。お前の家、貧乏なんだろう」
水川の表情が一瞬凍った。
「なんでそのことを知っているの?誰も知らないのに!」
「そもそもあんたに関係ないでしょ!」
「まあ、確かに関係ないな。もちろん誰にも言わないから心配しなくていいよ」
「そう、それならいいわ。ほんと誰にも言わないでよ、隠しているんだから」
「ああ、分かった。あと俺はバイトとかしているから金に余裕がある。きつい時には言ってくれたら多少は貸すよ。同じクラスの友達だし遠慮する必要はない」
彼女の眼は見開かれた。しかしそこまでだった。
「ふんっ、お金持ちに私の気持ちは分からない」
彼女はそれだけ言ってその場を立ち去った。
(あまりに急すぎて失敗したか?いや、今はこれでいい)
とりあえず秘密を知られているが、黙ってくれているという構図ができた。それだけでも立場的にこちらが有利。すでに一定の依存関係にある。
あとは何らかの形で少しずつ“恩”と“安心”を積み重ねていけば、彼女は俺に更に依存しはじめるだろう。
何かあった時には「黒崎ならお金を貸してくれるかも」と思い出すはずだ。
金も時間もある。今は焦らず少しずつ種をまいていけばいい。
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