10話「再びのタイムリープ、またこの日から始まる」
#10話「再びのタイムリープ、またこの日から始まる」
カレンダーは「199X年 4月10日(火)」俺は再びこの日に戻ってきた。
見慣れた天井。安っぽい照明。布団の肌触りが妙に懐かしい。
「ははは、俺はまだやり直せる!」
1回目のタイムリープ、俺は佐藤くんの裏切りでやくざと思われる奴らに殺された。
今から思い出しても腹が立って仕方がない。
でも全く問題はない。再びこの日に戻ってきたのだ。
最初はびっくりしたが俺は完全に落ち着きを取り戻した。
もう驚きはない。冷静に学ランに袖を通しネクタイを締めた。
(面倒くさいが……また同じ復讐をやるしかないな。何か良い方法がないか考えたが、、、特に思いつかない)
また柴田を潰し、岸本の化けの皮を剥ぎ、村井を社会的に“処理”する必要がある。
わかってる。ルートはすでに確立されている。俺はそれを“なぞる”だけだ。
ただ――それ以上の期待はない。
少なくとも佐藤くんとの友情はもう二度と築かない。
アイツは、最初から“そういうやつ”だったんだ。俺が甘かっただけだ。
「なら次は、別の道を選ぶしかない」
学校へと向かう途中、春の風が頬を撫でた。だが俺の心はどこまでも冷めていた。
再び始まった高校生活は予想通りだった。
柴田は元気に暴れていたし、岸本は薄ら笑いで取り巻きを操っていた。
担任の村井はここでも見て見ぬふりを貫いている。
そして佐藤くん、いや佐藤は――相変わらずおどおどとしていた。
「一緒に帰らない?」
「……悪い、ちょっと寄り道があるんだ」
俺は佐藤の誘いを冷たく断った。もう俺は騙されない。
あの笑顔が裏切りの仮面であることを知っているからだ。
思い起こせばこうやって俺のことを探っていたのだろう。そしておれのことを柴田に伝えて標的を佐藤から俺に変えさせたのだろう。
佐藤はとんだ食わせ物だ。そう言えば柴田や岸本の立場が悪くなったら急に強気に出ていたよな。そういった相手の隙を常に探しているのかもしれない。
俺はこんな佐藤を救う必要があるのか?と疑問を感じながらも前回をなぞり始めた。
一度やったことだから簡単だった。俺は順調に“復讐”を進めた。
例のカメラを購入し証拠を撮り、マスコミに送りつけ、柴田は崩壊。
岸本もまた、噂と適当な証拠でもって孤立させた。
教師の村井も、匿名報告で左遷されていった。
(繰り返しだな。何もかもがつまらない)
俺の心は、前回ほど晴れなかった。
すでに答えの見えている“ざまぁ”には、もはや快感は薄い。
それどころかここまでやる必要があるのか?とさえ思えてくる。彼らにとっては1回目だが俺の頭の中では2回目の復讐。少し混乱しているようだ。
ともかく今回も復讐は終わった。
――さて、次はどうする?
佐藤への復讐か?しかし彼は現時点では何も悪さをしていない。
そんなとき、ふとした瞬間に目が止まった。教室の窓際。
そこに座っているのは、水川由梨。前世で俺が告白し、「気持ち悪い」と切り捨てられた子だ。今でもむかつく気持ちがある。
(そして彼女には弱点がある)
俺は前回のタイムリープで彼女のことをそれとなく観察していた。そして分かったのは彼女はかなりの貧乏だということだ。よく見れば彼女の制服の縫い目。鞄の小さな破れが見て取れる。
弁当を持ってきていない日も多い。放課後、スーパーの裏口で目撃したバイトの求人を覗き込んでいた姿も見かけた。
――生活が苦しいんだ。
ならば攻略の糸口はあるか、、、。
最初の時のように馬鹿正直に告白したら振られるのは目に見えている。お金に余裕がないから男にかまっている暇もないのだ。
どうやったらこの子を振り向かせることができるのか?と俺は考えた。
2回目のタイムリープは水川を攻略しよう。
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