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なんか気に入らないっぽい


さ~て種族一覧を確認してやりますかね、そう思ったところで手が止まる。長年俺が俺として生きてきた事によりその予感がする、これは不安症の波が・・・来るぜ。


もし!これで種族選択タブを押してしまった瞬間、スキル選択タブへ二度と戻れなくなったらどうする!終わり!はいもうこの疑念が出てしまった時点で、簡単に次には進めませ~~んハイ~~ダメで~~~~す。



自分でもどうにかしたい。こんな面倒な性格を・・・。


ではどうする?ここで最低限の有用スキルを選択し、ある程度のSPの余裕を持って種族選択タブへ進む?




う~~~~ん。そうなるな。そうなっちゃうわ、これ。

結構積んでるわ、試さないことにはもうキャラクリの先に進めない状況だわ。はあ、じゃあもう前に前に思考を進めていくしかないじゃないの。


そもそもスキルをタップしたらその時点でスキルが確定してしまう可能性もあるんだし、どれか1つでもとにかく欲しいスキルをチョイスしてみよう。


まずは、護身か、語学あたりだが・・・


あー、てかアレができなくなるな。

種族を選択してから「語学」系スキルを選択することができなくなる。最悪や・・・種族の詳細画面を見る前に、どの言語を喋りたいかを今決定しなきゃならなくなった。


俺は正直、人外に転生したっていいと思っている。というか一番は人と何かのハーフ、半人半妖みたいな存在になれれば最もアドだな~とか思ってる。


人ならざる者の持つフィジカル。肉体の堅牢さ、素の肉体のみで発揮できる破壊力。そして覇権種族と思わしき人族とも交流が可能な身分。それらを併せ持った存在。


まず第一に自分の身の安全が確保できるかどうか。自分一人でも知らない世界で生きていけるかどうか、これを考えた結果の判断だ。


これが今のところの結論。ここがブレる事はそうはないと思う。


なので本来なら〈人語〉と、半妖に当たる部分の第二言語の2つの言語スキルを取得したかった。もし獣人になるのであれば〈獣語〉まで取得したかったということだ。




護身、語学。護身、語学・・・・


〈人語〉と、初級喧嘩術の心得。俺にとっての最低限は、これかもしれない。


まず俺がどんな姿の怪物になったとしても〈人語〉はマストバイだ。人に恐れられる見た目になり、最悪の場合人と完全に敵対したとしても、だ。その時は敵の情報を得るために、人を攫ってでも会話を強行し知識を蓄えさせてもらう。


それだけ俺は覇権種族、人間というものを恐れている。自分が現世の人間史を知っているおかげか、人間の残忍さや恐慌状態の団結力は生き物として恐ろしいと感じる。

やっぱできるだけ、敵対はしたくねえなぁ・・・



次に喧嘩術。護身のための術は主に「心得」系と「資質」系から選択する必要があるが、これを選ぶのにはもちろん理由がある。


無一文の怪人がちゃんとした武具を揃えられるのは何時になるかわからない。

武器の支給が約束されていない状態で、初級剣術の心得などを習得してもスタートダッシュの役には立たない。


ソロで冒険する序盤に魔術師のようなムーブは危険すぎる。MP切れの問題を考えると持久力と柔軟さに欠けるだろう。


また、半人半妖の姿が実現すれば身体能力が底上げされた状態での肉弾戦が可能になる。そう考えると喧嘩術は最低限、己の身を守ってくれる・・・ような気がする。



本当はもっと、色々と欲しいスキルはある。

語学マスタリーと〈薬草学の知識〉で全種族対応のお医者さん!とかやってみたい・・・めちゃくちゃラノベっぽいじゃねえか・・・うう、でも俺は「それって攫われて一生奴隷にされるんじゃね?」とか思っちゃうタイプのオタクなんだよな。


日本生まれ、日本育ちの俺は現実的に犯罪の悪意というものに晒された経験が無い。だからきっと考えすぎるぐらいでも足りないんだ。


よし、決めたぜ。この部屋に来てから何度目かのド緊張ワンタップを決める・・・ぞ。


フウ・・・フウ・・・よし・・・




▼初級喧嘩術の心得(140)




トトンッ





ここでまさかの大失態。空前絶後のダブルタップ。


緊張が指まで伝わり、最悪の結果!ダブルタップ・・・・!!





お・・・おわ・・・・



・・・・やっべ~~~~~笑




その場に突っ伏し、ギュッと縮こまる俺。


やったわ。大丈夫か?

多分何か起こった。一瞬なんか見えた。画面に。



心臓の部分をグッと掴みながら、なんとかタブレットの前まで戻る。

俺は、何をしたんだ・・・?息が、粗い・・・



画面にはなんと、何の変化も無い。SPも減っていない。

では、一瞬見えたあの画面の挙動は一体?


一度やった事だからか、俺は躊躇無くまた画面をタップしていた。




トンッ




【手持ちのSPを振り分け、スキルと種族を選択してください。

                SP:260

→《スキル一覧》《種族一覧》《決定》

▼初級剣術の心得(120)

▼初級弓術の心得(90)

▼初級槍術の心得(80)

▼初級斧術の心得(80)

▼初級盾術の心得(50)

▼『初級喧嘩術の心得(140)』

・・・

・・



「だぁ~~~~~~~~!!意外と親切な設計っぽい~~~~~~~い!!!!」



思わず声に出して暴れてしまった。

コンニャロ!!コンニャロ!無駄に焦らせやがって!タップすることで有効/無効を切り替えられるシステムかよ。ちゃんとSPも減ってる!めちゃくちゃ良いUIだ!めっちゃ嬉しいわ畜生!


シュ!シュ!ワンツー!

ま~たシャドウボクシングじゃい!

オラッ!!



ボッ



うお。なんだ今の。


暴れていた際に体に違和感が走った。


なんか俺、今スゲー良い蹴りを繰り出さなかったか・・・?







これ、〈ケンカキック〉じゃね・・?喧嘩術の・・・




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