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その思いは、長い時を経て②

時が過ぎるのはあっという間だった。

8月6日まで、あと1週間...


「(どうにかして、この親子は助けたい...!)」


でも、普通に話しても信じてくれないだろうな...。うーん...。


「凛ちゃん」

「!!はい!!」

「今日もお疲れ様。お茶煎れたけぇ、一緒に飲まへん?」

「あ...是非!!」

「何か考え事しとったみたいじゃけど...?

どうしたん?」

「......」


どうしよう。

おばさんに何て言ったら良いのか...。


「あの...ちょっと遠出しませんか?」

「遠出?」

「はい。尾道の方に行きたくて...」

「何か手掛かり見つけられたん?」

「は、はい!その、ですね。

どうせなら、3人でお出掛けしたいな...なんて。」

「......」


ちょっと無理矢理過ぎたかな...。


「ええねぇ。尾道にはうちの親戚もおるし、晴彦の顔も見せに行かんとね。」

「ありがとうございます!!」

「いつにするん?」

「5日の朝に出ませんか?」

「何泊しよるん?」

「うーん...2泊3日...はどうですか?」

「じゃあ、晴彦にそう伝えとくけぇ。」


翌日、はるくんに遠出の件を話すと、

凄く喜んでくれた。


「お母さんの親戚がいるみたいだから、

一緒に会いに行こうね!!」

「うん!!」



そして、8月5日の朝が来た。


「晴彦!準備できたん?」

「バッチリじゃ!!」

「あ、はるくんちょっといい?」


私ははるくんの寝癖を直した。


「うん、これでよし!」

「あ...。ありがとう...!!」



「おれ、りんちゃんの隣に座る!!」


汽車に乗って、尾道まで向かう。

だいぶ走った。

ここまで走れば、この2人を助ける事が出来る。



親戚の方々は、私にも優しくしてくれた。

それが本当に嬉しくて、私は率先して家事を手伝った。


「お客様なんに、悪いわぁ…」

「いえ!お気になさらず!

私のわがままで泊めて頂くんですから。」

「ありがとうなぁ。」



洗濯が終わって、何か近くに食べられる物が落ちていないかを探しに出掛けようとした時だった。


「りんちゃん。」

「はるくん、どうしたの?」

「どこに行くん?」

「食べられる草とか木の実を探しに行くんだよ。」

「おれも行く。」

「良いよ!一緒に行こうか。」


はるくんと手を繋いで、裏の山に向かう。

どんぐりが沢山採れた。良かった!



「よし、こんなもんかな?

おばさん達、喜んでくれるかなぁ♪」

「……」

「はるくん?」


そう言えば、さっきからはるくんの口数が少ない。


「どうしたの?」

「りんちゃん、お家に帰っちゃうん?」

「そうだね。いつになるかは分からないけど…」

「帰ってほしくない…」

「え?」


「おれ、りんちゃんとずっと一緒にいたい!!」


「でも、私は…」

「おれ、りんちゃんが好きじゃ!!」

「!!」

「りんちゃんから見ると、おれ、子供じゃけど、ほんまに好きなんじゃ!!」


はるくんが、真っ直ぐな瞳で私を見つめる。

今まで、こんな目で見られた事…

無かったな…。

はぐらかそうかなって思ったけど、これはちゃんと答えないと失礼なやつだと思った。


「はるくん、ありがとう。

その気持ちは嬉しいよ。

…でも、ちょっと時間貰っていい?

明日、話すから。」

「うん。」


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