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遥人くんと陽斗くん②

1年が経つのはあっと言う間だった。

来週で遥人くんが亡くなって1年。


『もしもし、桜?』

「うん。どうしたの?」


陽斗くんから電話がかかってきた。


『来週の日曜日に遊びに行かないか?』

「来週…」

『用事があるのか?』

「…“遥人くん”が亡くなって1年になるの。

だからその日はお墓に行こうと思って…」

『そうか。…俺も一緒に行って良いか?』

「え?!」


予想外の返事に驚いた。


『“遥人くん”に、話があるんだ。』


断る理由もないし、一緒に行く事にした。



お花と彼が大好きだったお菓子を供えた。


「“遥人くん”と2人きりで話がしたいんだ。」


と陽斗くんに言われ、私は少し離れた所で待っていた。

しばらくして、陽斗くんが戻ってきた。


「お待たせ。」

「遥人くんと何を話していたの?」

「…桜の話をしてたんだ。」

「私の話?」


すると陽斗くんは真面目な顔をして言った。


「“遥人くん”に

『桜に告白させて欲しい』

って言ってきたんだ。」

「!!?」


びっくりして声が出なかった。


「そ、それで…遥人くんは何て…?」

「わからない。でも、悪い様には思ってないと思う。…桜」


“告白する”と予告されているのに、心臓の音が煩い。


「俺、桜の事が大好きだ。

友達としてじゃなくて、恋人として傍にいたい。」

「……陽斗くん…」


差し出された手を取りたくて手を伸ばす。

でも私には大地君の傍にいる資格はないんじゃないかと思い、手を引っ込めた。


「私最初、遥人くんに陽斗くんを重ねていた。」

「遥人くんの事を、無理に忘れる事はない。

大切な思い出なんだから。」

「…っ、陽斗くん…」


やだ。泣きそう。


「最初は桜の気持ちが安定するまで

って思ってたけど、

いつの間にか桜といるのが凄く楽しくなってさ。

気が付いたら桜が愛おしくて仕方なくなってたんだ。」

「……っ」

「天国にいる“遥人くん”も

お前の幸せを望んでいるだろう。」

「……ありがとう。…」

「“遥人”」


陽斗くんは、再び遥人くんのお墓に向き合った。


「お前の分、桜を幸せにすると誓う。

だから、見ていてくれ。」


陽斗くん。

あの時、あなたに出会えて本当に良かった。

お供えしたお花が、ヒラヒラと揺れた。

まるで、遥人くんが、そこにいる様。


「じゃあ、帰ろうか。」

「うん。」


「陽斗くん」


墓地を出て、陽斗くんにさっきの告白の返事をしていない事に気が付いた。


「私も陽斗くんの事、大好きだよ。」

「…ありがとう」


優しく、抱き締めてくれた。


もしかしたら、“遥人くん”が、桜の為に

“陽斗くん”と巡り合わせてくれたのかも知れませんね!!

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