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信じてるから

私の名前は岡野一花。小学6年生。

最近、同じクラスの子に

『上靴を隠された!』

だの

『ノートを捨てられた!!』

だの、やってもいない事を言われる。


「はぁ…」


『やってへん!!』

って、毎回言っているのに、最近は誰も信じてくれなくなった。

もうめんどくさいから、無視しようかな…

とも思う。


「一花」


幼稚園の頃からずっと一緒だった、隆星(りゅうせい)が声をかけてくれた。


「これから児童館に行かへん?」

「うん。」


リュックを背負って、隆星より少し後ろを歩いて、児童館へ向かった。



「一花ちゃん、隆星くん、おかえりー!!」


児童館の先生が出迎えてくれた。


「せんせー、視聴覚室使っていい?」


視聴覚室?隆星、いつもは直ぐに体育館で遊ぶのに…。


「視聴覚室?何に使うん?」

「秘密の会議をするねん!」

「分かった!ちょっと待っててね〜。

鍵開けるから。」


先生に鍵を開けてもらって、

私と隆星は視聴覚室に入った。


「隆星、体育館に行かんの?」

「一花。」

「な、何…?」

「最近、クラスのやつらに色々言われてるやろ?」

「うん、まぁ…。」

「明日、一花は何もしてへんって、言おうと思うねん。」

「隆星が?」

「担任は頼りにならんからな。」

「それは…隆星に悪いわ。」


私に味方する事で、隆星も悪く言われるかも知れない。

あの子はそういう事を言う子だから。


「でも、一花が何もしてないのに色々言われるの、腹立つねん!」

「隆星は信じてくれるんやね。」

「当たり前やろ。一花やったらそんな陰湿な事はせぇへん。」


隆星…。


「早く元気になった一花と遊びたいねん。

バスケやろうや!バスケ!!」

「…うん!!」



翌日の放課後。


「一花が上靴を隠したりとか…

そんな事する訳ないやろ!!」

「してないって証拠はあるの!?」

「証拠…は無いけど…!

お前らよう考えてみろよ!!

一花やったら、こんな陰湿な事するか?」


すると、周りにいたクラスメイト達が


「確かに、一花ならもっと堂々とするよなぁ。」

「うん。隆星の言う通りやと思う。」


隆星の言う事に納得してくれた。


「一花ごめん…。ちょっと考えたら分かる事やのに…。」

「私も…!!」

「謝らんでいいよ。こっちこそ、理解してくれてありがとう!」


「…っ!!」


ある事ない事吹き込んでいたその子は、

気が付いたら居なくなっていた。



「隆星、ほんまにありがとう!」

「…久しぶりに笑顔を見れた…。」

「??隆星?」

「いや。俺もスッキリしたわ!!」


隆星は、軽く体を伸ばすと、いきなり走り出した。


「!?」

「一花!!児童館まで競走や!!」

「うっわズル!!待て隆星!!!」


隆星。もし今回の私みたいに隆星に何かあったら、絶対私が助けるからね!!



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