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公開プロポーズ

私には、中学2年生の頃から付き合っている彼氏がいる。

彼は小さい頃からずっとバレーボールをやっていた。

中高のバレー部では、主将もやっていた。

数々の大会で大活躍し、大学卒業後に彼はプロチームに所属する事になった。


『楓ちゃん、日本だと明日の夜9時にテレビで中継されるから、見てね。』

「うん!」


彼は今、イタリアにいる。

その彼から電話が掛かってきた。


「その為に、明日有給取ったんだから!

全力で応援する!!」



「さて、テレビつけようかな」

ついこの間買った私専用テレビ。

新作ゲーム機と同時に買ったものだ。


「あ…翔」


海外の選手に混ざっていたら然程大きいとは思わないけど、

やはり翔は目立つ。

観客席には『KAKERU OSHIMA』

と書かれた垂れ幕を持っている人もいた。

駆の魅力は、海外の女の子も虜にしてしまう。

「頑張れ!翔」


試合は最初はなかなか決まらなかったが

後半に思いきり逆転し、見事勝利!


『おめでとうございます!』

『ありがとうございます』


試合後のインタビューに移った。


『この感動を、まず誰に伝えたいですか?』

『そうですね…

日本にいる、大切な人に伝えたいです。』

『大切な人?』

『はい。物心つく前からずっと一緒にいた、とても大切な人です』


家族だったら、家族って言うよね...?

何だか、ドキドキするな...。


『あ、ちょっと良いですか?』

『?はい、どうぞ』


翔はカメラ目線になった。


『楓ちゃん!!』

「!!!!」

『俺と、結婚してください!』

「え、えぇぇえ!!?ちょ、ま、」


レポーターさんはぽかんとしていた。


「…っ、世界中継で何してるのよー!!///」


勿論私の声は海を越えて届くことなく

インタビューは終わった。


「はぁ…しばらく近所歩けない…」



2日後、翔が帰ってきた。

私は暫く近所を歩く度色々言われた。

皆ニヤニヤしていた。


「ただいま!」

「お帰りなさい」


抱き付いてきた翔に軽くチョップした。


「いてっ」

「もう、公共の電波使って何てことを…!!」

「ご、ごめん!

本当は帰ってから言おうと思ったんだ。

でもあの時、まさかあんな形で勝てるとは思わなくてさ。

テンション上がっててつい…」

「ちゃんと、私の目を見て言ってよ…」

「う、うん!」


翔は私の手を握った。


「俺と、結婚してください。」

「…はい!」



「さて、これから大変になるぞ。」

「そうだね。次はオリンピックか。」

「それもそうなんだけどさ、

楓ちゃんのご両親に

結婚の許しをいただかないと。」

「そんな、私達元々どちらの両親も公認じゃない。」

「でも、こう言うのはちゃんとしないと…

スーツ久しぶりに着よう。」

「律儀だな~」

「今週末に、澤村家に行って大丈夫?」

「うん」


翔と私は手を繋いで駐車場まで行き、

翔を仙台空港から車で家まで送った。


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