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覇王降臨、いいえあれは悪役にされた令嬢です

 私の殺意が伝わったのか、周りの反応も(え?それだけ?)芳しくなかったからか、慌てたように付け加える。


「も、勿論これだけではない!他に証言者もいる!そうだろうフローライト伯爵令嬢!」

「ひっ!」

 ひって言いましたけど証言者。

 この方、確か先ほど『誰かとお間違えでは?』と言った際に体を震わせてたわね。

 はーーーんほーーーーーーん。


 なるほど…


 いい度胸してるわね?


「そうですの。貴方は確かアナベル・フローライト伯爵令嬢とお見受けするわ。わたくし何をしでかしてしまったのかしら?」

 やさーしく、やさーーーしく努めて尋ねる。

 どんなに優しく振舞っても地顔が怖すぎて怖らがられて仕舞うんですけれど。

 内心を殺すなど容易いことよ。貴族に生まれついたのですもの。

 それも出来ない目の前の方々は何を学んでらっしゃったのかしら。

「あ、あのぅっ…!」

「大丈夫だ、あの女がどんなに脅そうと必ず君を守ると誓おう。さぁ、話してくれたことを言うんだ!」

 どんどん土気色になっていくお顔。

 まぁ、青くなる方と土気色になる方がいるのね。

 個性があって面白いこと。

「ふ、フォンディナート公爵令嬢は…そのっ…リリー令嬢の教科書を、破いておりました…」

 はーーーーーーーーーーーん。

「そ、それとよく『リリー令嬢が忌々しい』といって、持ち物を壊しておりました…」

 ほーーーーーーーーーーーーん。

「どうだ!これでもまだ言い逃れを「いつですの?」」

「は?」

「だから、わたくし、いつ、そんな大層なことをやらかしましたの?」

 まずい。

 相手の頭が悪すぎ。段々イラついて猫が剥がれてきましたわ。

 こういうときは落ち着いてモブロフ様のことを思い出すのよ!

 何もない所で転ぶモブロフ様…

 ご友人と歓談されるモブロフ様…

 剣の練習で転がされて転がされて落ち込むモブロフ様…



 尊い。




 今ならなんでも許せる気がする。ただしモブロフ様関連以外。

 持ち直して笑顔で尋ねる。

「教えてくださるかしら?」

「ひっ!」

「脅すとは卑怯な…!」

 …だから脅してないっての。

「いっいつ…?!」

「…全部覚えてなければ直近分で構いませんわ。何ならリリー令嬢でもよろしくてよ」

「いっ?!いつ?えー…えっと」

「確か直近では二日前の午前中だ!移動教室の間に破かれたとリリーが泣いていた!」

「二日前の午前中。」

「そうだ!」

「わたくし、その日朝から高位貴族用の会館で授業を受けておりましたが?」

「え?」

 さぁっと顔色をさらに失くすご令嬢方。

 観衆の中に同じように顔色を失くす女性がチラホラ。逃がしませんわよ。

「さすがにその距離で、嫌がらせに伺うのは不可能ですわ」

 ほほほ、と笑う。

 学園は大きい。アホかと思うほど大きい。

 そして王家に嫁いだり、逆に降嫁等で王家を受け入れる可能性の高い公爵家・侯爵家・一部伯爵家は高位貴族として特別授業を受ける。

 その会館は低爵位の授業を受ける棟からはえらく遠い。


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 フローライト伯爵家は伯爵家の中では中の下。

 高位貴族会館での授業を受ける資格がない。

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 さて嫌がらせをしたのは誰なのかしら?

「そ、それは子飼いの令嬢にでもやらせたのだろう!」

 あらまぁそう来ますか。

「でもその方は『わたくしが』破くのを見たと仰ってましたけど?『わたくしが』物を壊すのを見たと仰ってましたけど?」

「みっ見間違いということもあるだろう!」

「ではますます『わたくし』がやった、という証拠はありませんわね」

 ふう、とため息をつく。

 言い返せずパクパク口を開くだけになったバカ王子。

「ほ、ほかは、他の嫌がらせはお前かもしれんだろう…!そうに決まっている!」







「何せお前は俺に惚れているあまり嫉妬したのだから!!!」






「 は ?」





「「「ひぃ!!!」」」

 あまりの妄言に真顔になってしまいました。

 顔が迫力ありすぎるから真顔にだけはなるなとキツくキツくお母様に言われてましたのに。


 でもこれは流石に我慢しなくてもよろしいわよね?

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