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新年会での弾劾…?

「エヴァーレット・ウルム・フォンディナート公爵令嬢!貴様俺のリリー嬢に嫌がらせを繰り返していたそうだな?!」



「……はい?」


 とりあえず、公爵令嬢としての意地で首を傾げるに留めた。

 危ない危ない。

 勢い余って『何寝言言ってるんですかこのノータリンは』と言うところだった。

 目の前で肩をいからせているのは、そんなに親しくもないし、ましては慕ってもいないし、何なら最後に会話したの王宮の賀詞交換での一言二言じゃなかったかしら?な間柄のダグラス第二王子。

 フルネーム?

 めんどくさいから言いたくね。

 そんなくらいのモンである。

 おまけに小脇にピンクベージュの髪の、見覚えのある女性を抱えてらっしゃる。

 あらあらあら。

 本気で顔色が悪いこと、先ほどの愚にもつかない第二王子の発言でなんとなし経緯を悟った。


 さてどうこちら処理しましょうか。


 艶然と微笑む。あくまで優雅に。

「さっぱりわたくし、身に覚えが無いのですけれど。一体全体何を仰っているのかしら?」

「とぼけるな貴様!俺の事を一方的に慕っているからといって…俺が愛するリリー嬢に害を成すなど!許されると思ったか!」

「…殿下!ダグ!私は大丈夫だから!きっと行き違いがあったのよ!ほら、勘違いとか!」

「勘違い?勘違いでお前のドレスが破けるのか?せっかくのこの新年の祝いだと言うのに…俺が予め用意したものがあったから何とかなったものを!」

 はーん?なるほど?

 ノータリン殿下が話せば話すほど、お隣の愛する人(笑)の顔が真っ青になっていく。人の顔ってどこまで青くなるのかしら?

「それだけではない!貴様、リリーの教科書や靴もボロボロにして捨てているだろう!あまりに醜い!そんな事をして己の家門に泥を塗ると思わなかったのか!この恥さらしめ!」

「だ…ダグ…それはやった人も分からないから…」

「リリー…勇気を持って言ってくれていいんだ。俺に言ってくれたように。フォンディナート公爵令嬢に詰られたと散々言っていたではないか。ここには大勢の人間がいる!みなが俺達の証人になってくれよう!」

「…なるほど、殿下の恋人であるリリー令嬢は嫌がらせを受けていた。それの犯人はわたくしだと?それをわざわざ全学生が集まる新年会で弾劾なさろうと」

 あえて顎に手を当て小首を傾げる。

「やっぱりさっぱり身に覚えがありませんわ。どなたかとお間違えなのでは?」

 重ねて言えば、王子はさらに猛ったようだ。


「ここまで言っても白状しないか!なんと見苦しい!」


 ちょ!唾飛んだんじゃなくって?!

 あくまで優雅にしていますけれど限界ってもんがあるんですのよコッチだって!


「身に覚えがないものはないのです。そこまで言うのであれば確たる証拠があってのことと思ってよろしくて?」



「リリーの証言が何よりの証拠だ!」




 コイツ今殺してもいいかしら?

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