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第54話 真のクリスマスプレゼント

 11月30日 月曜日 

 

 この日の学校帰り、私は大規模な寄り道をして、巨大ショッピングモールるるぽーとを訪れた。

 

 ここは以前璃莉とデートで訪れた場所でもある。

 水着と服を買い、映画を見たあのときの思い出が今にも蘇ってきそうだ。

 まあ、映画にはあまりいい思い出はないが。

 

 今日ここに来た目的。

 それは璃莉へ贈るアクセサリーを探すためである。

 

 夕稽古は休みにしてもらった。

 そこまでして来たからには最高の品を選びたい。

 

 入館して、館内マップを手に取る。

 さすが巨大ショッピングモールというべき店揃えで、アクセサリー専門店だけでもたくさんある。

 これが街の至る所に散らばっているのと、一つの建屋にまとまっているのとでは大きな違いだ。

 

 やはりるるぽーとに来て良かった。

 より多くの品を短時間で選定できる。

 テスト勉強、稽古と多忙な私にはありがたい。

 

 次々と店を見て回る中、私の目が止まる品に出会えたのは五店舗目のこと。

 そこは『3℃』というブランドの直営店。

 

 巡り会えたその品はオレンジ色の天然石のネックレスだった。

 天然石を囲うリング型の装飾も含めて、全体がシンプルかつ美しい出来。

 子供っぽさも一切ないし、璃莉も気に入ってくれるはずだ。

 

 値段は……三万五千円か。

 このくらいなら許容範囲。

 即決することを想定して今日は多額のお金を持ってきていたし、もうこの場で購入しよう。


「すいま……」

 

 店員を呼ぼうとした声が途中で止まった。


「はい、お決まりですか?」


「あっ……いえ……なんでもないです……」

 

 店員を一旦帰し、その場で考え込む。

 

 私の持っているお金は、両親から毎月貰っている小遣いだ。

 その月一の小遣いだが、両親からは小学生の頃に一万円、中学生の頃に三万円、そして高校生になった今は月に五万円も貰っていた。

 

 年齢の割には破格。

 おそらく、仕事が忙しくかまってあげられない罪滅ぼしのような意味もあると思う。

 

 それに特に趣味のない私は、小中の頃のお小遣いが貯まりに貯まり、今では高校生が持つには相応しくない大金を有していた。

 だから璃莉とデートするときは年上の恋人として多めに出すことがよくあったし、お弁当を作ってくれるようになってからは、お礼も兼ねてその額をエスカレートさせていた。

 

 今回も、三万五千円は払える。

 だけどそれは真の意味で私からのクリスマスプレゼントと言えるのだろうか?

 胸を張って、堂々と渡せるクリスマスプレゼントなのだろうか?

 

 考え込んだ結果、ある決意が生まれた。


 ――アルバイトをしよう。



  

  ・・・



 購入を保留し帰宅。

 すぐさま私は学校付近のコンビニに電話を入れた。

 バイト先をコンビニに決めた理由は単純。

 バイトといえばコンビニ店員のイメージがあったから。

 あと、登下校中に見たそのコンビニの壁に、求人募集のポスターが貼っていた記憶があったから。

 

 対応してくれた店長は来られる日にいつでも面接できると言ってくれたので、早速明日、面接を受けることにした。



 


 12月1日 火曜日

 放課後、面接へ。

 人手不足らしく、即採用となった。




 12月2日 水曜日

 学校への許可など、諸々の手続きを済ませる。

 いよいよ明日、初出勤だ。



 

 12月3日 木曜日

 店長の怒号が響く。

 私は三十分でクビになった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 何があったのか知らないけどもう普通に買おうよ.... 気持ちがあれば十分よ。
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