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三話 王都は辛すぎる
俺は、ルークがこっそり持ってきていたローブを借りた。
痩せ細った体を見るのは、俺でも不気味なのでローブを羽織った方がいいだろう。それに俺はじろじろと見られるのが嫌いだ。
王都に入ると、一気に雰囲気が変わって驚いた。
やはり、俺が思っていた通り王都は賑わっている。
俺の顔は無表情なはずだが、俺の機嫌が良く、わくわくしていることにルークはわかったらしい。
「見てまわるか?」
「ああ」
俺は、無愛想に頷く。だが、ルークは笑い、もう少し素直になればいいのにと俺に聞こえないくらい小さな声で言う。
「いらっしゃい、いらっしゃーい」
「安いよ安いよー」
「おっと、そこの兄ちゃん! 王都でしか売っていないリッンーゴだぞ!」
街を見てまわる。結果……ウゼェ。それに暑苦しい。何故こんなに人がいるんだ? ああ、王都だからか……俺の思考がだんだん可笑しくなってくる。はぁ、やめとけば良かった……疲れた……
「ルーク。そろそろ飯が食いたい。つか、もう倒れそう……」
「ははは。そんじゃあ俺の家に急いで行くか!」
「ああ……」
そうして俺たちはルークの家へ向かった。