夕食前
「じゃあ、晩御飯でも作るか」
そう言ってみなみは台所に向かった。
「えりちゃん!なんかさっきの映画の話聞いてたら、騙し合いがしたい気分かも」
「えー、どんな気分なのそれー」
「なんかゲームしよう!」
「どんなー?」
「えっとねー、お互いにちょっとした話をしてその中にひとつ嘘を混ぜるの」
「それでー」
「嘘はひとつだけであって一回だけじゃないの」
「というとー」
「例えば犬を飼っていたという嘘をついた場合、その後の話は犬を飼っている風を装って話すの」
「なるほどー」
「そのかわり、やってもないことを絡めるのは無しね。毎日犬に餌を与えていました。みたいな。嘘が2つになっちゃうやつ。
もし、飼っていたのが猫で餌を与えるのは本当だったら有りだけど」
「でも、それじゃあ長い話をしたほうが有利だよねー」
「じゃあ、話す内容は7つまで」
「いいねー」
「そして、交互に1つずつ、3つの質問をして、解答するって流れで」
「質問にも嘘をつくの?」
「そうだね、さっきの例だと犬の名前は何ですか?って聞かれたら適当に答えるの。悩んだら怪しまれるからどこまで嘘を吐き通せるかだよ」
「なるほどー」
「答えはあらかじめ紙に書いて、解答したら見せて確認する」
「ちょっと待ってー、話す内容考えるー」
「そうだね」
そして二人は考え込み少しの間沈黙が続いた。
「できた!」
「私もー」
「じゃあ先攻後攻はじゃんけんで決めようか」
「じゃーんけんぽい」
そしてゆみが先攻となった。
「私は15歳です。趣味は映画観賞です。音楽鑑賞も好きです。母親と一緒にライブに行ったりしていました。
休日は友達と遊ぶことが多かったです。カラオケが好きでした。中学時代はテニスをしていました」
「これで7つだねー」
「そう、次はえりちゃんが話す番」
「えーっとねー。私は16歳です。猫を飼っていました。日課は猫の餌やりです。趣味は猫と遊ぶことです。
朝は少し弱いです。中学の頃は手芸部でした。好きな花はルドベキアです」
と指を折りながらえりが話し終えた。
「じゃあ質問するね」
「いいよー」
(多分嘘でも猫の名前は考えてるだろうなあ、例題に挙げたし。出だしを真似たのも気になるからそこを突くか)
「生年月日はいつですか?」
「2003年7月20日だよー」
「はい、じゃあ次えりちゃんの番」
「じゃあねー、ライブに行ったのは誰のライブ?」
「色々行ったよ。Blackとか、MediocreBandとか。」
「じゃあゆみちゃんの番ねー」
「ルドベキアってどんな花?」
「えっとねー、黄色い、ひまわりみたいなやつー」
「はい、次はえりちゃんの番」
「じゃあねー、テニス上手だったー?」
「普通だったかなあ、別段上手くもなかったけど、下手でもなかったよ」
「はい、ゆみちゃんの番」
「猫は何匹飼っていましたか?」
「3匹だよー」
「はい、えりちゃんの番」
「うーん...えっとねー、なんで高校でテニスやめたのー?」
「元々中学の頃も友達と一緒にやろうってくらいだったからね。上手くも無いし、真剣にやってたわけじゃないから」
「これで質問は終了」
「これ全然わかんないねー」
「そうだね、やってみたけど質問3つは少なすぎたかな?」
「まあ解答やってみようかー」
「じゃあ私から、生年月日と花は本当っぽいし、猫は3つ使ってるから本当と仮定して、2択かなあ...よし!じゃあ手芸部で!」
「じゃあ私だねー、映画はお昼に話したから本当だろうし、テニスと音楽も本当そうだからー...ライブは一人で行っていた!」
そしてふたりは解答を見せ合った。
「そっちかー!朝強いんだね。」
「うん、朝は平気ー。で、私のこれは正解なのかな?」
「一人では無いから不正解かな」
「そうなんだー」
「ていうかこれ無理だね」
「そうだねー」
そしてゲームが終わり、頃合いを見計らったかのようにみなみがやってきた。




