えり
侵攻が始またとき、えりは自宅で過ごしていた。
両親は仕事に出ていた。
ただ、今地球に起きていることをニュースで眺めていた。
すると、両親から連絡が入った。
救助や看護で帰れないとのことだ。
非常食の場所を教えてもらい、戸締りをきっちりすること。あまり外出しないこと。と言われた。
幸い、一人で過ごすには十分な食材もあり、飼い猫と遊んだり、のんびりと過ごしていた。
しかし、戦況は次第に悪くなり、侵攻は進んでいった。
そんなある日、窓ガラスの割れる音が聞こえた。
リビングに向かうと、一人の男がいた。
「なんだ、女がいるじゃねえか、ちょうどいいや」
と男は言った。
外は食料を求めて、人類同士でも争いが起きていることを知っていた。
「なんですかー?食べ物にお困りなら、何か作りますよー?」
とえりは言った。
「なんだぁ?家に侵入されたにしてはずいぶんと平然としているな」
「よくのんびりしてるねって言われますー」
と言い、台所に向かった。
「すぐできるので、かけてテレビでも見てて下さいー」
とえりは言った。
侵入者は促されるまま、椅子に座り、テレビをつけた。
えりに背を向けて。
えりは台所の包丁を手に持ち、テレビを見ている侵入者に気づかれないように忍び寄った。
そして、後頭部目掛けて包丁を突き刺した。
馬鹿な侵入者で良かったなーと思いながら、この後どうしようかなーと考えていた。
雨戸を全部閉めてしまえば、ある程度は侵入者を防げるかなーと思ったが、簡単に破壊できるかなーと思い止めた。
そして、高いところに行った方がいいかなーと思い、外に出ることを決意した。
出来るだけ、防衛ラインの内側で、出来るだけ高いマンションを探そうと思い、荷造りを始めた。
どうせなら女の人が住んでるところを探そー、などと考えながら。
両親からの連絡はしばらく無かった。きっと生きていないだろう。
ただ、もしものことを考え書置きを残しておいた。
そしてえりは家を出た。
防衛ラインの内側を目指し、しばらく歩くと、ちょうどいいところに8階建てのマンションがあった。
ここでいいかなーと思い、8階に向かった。
インターホンを押して、男性が出たら逃げようと思いながら、1室のインターホンを押した。




