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家族
「ところでさ、みんな家族はどうしてるの?」
とゆみが訊いた。
「私は一人暮らしだからな、こうなってからはほとんど家を出てないし、実家には戻ってないからな。
確認してみないとわからないが、二人は家から来たんだろ?どうだったんだ?」
「うーん、うちは両親仕事に出てたからねー。
そこで家に一人でいても危ないと思ったからみなみちゃんに連絡してここに来たんだよー」
とえりは言う。
「そうなんだ、わかってないんだね。ちなみに、私の家族はみんな元気だったよ」
とゆみが言う。
「そっか」と、えりとみなみは苦笑いした。
「私も家族に連絡とってみようかな」
とみなみが言うと。
「そうしたほうがいいよ」
とゆみが言った。
そして、みなみは両親に連絡を取るふりをした。
「もしもし、お母さん。元気でやってる?うん、こっちはゆみとえりと一緒に元気にやってるよ。
最期くらい家族と一緒のほうがよかったんだろうけどさ、ごめんね。うん、大丈夫。じゃあ、元気でね」
と電話をかけるふりをして、ひとりごとを言った。
「で?えりちゃんは確認しないでいいの?」
とゆみは言う。
「私はいいかなー。どうせみんな死んじゃうし、3人で死ねるなら幸せだもん」
とえりが言った。
「そっか、そうだよね」
とゆみは嬉しそうに言った。




