最後の晩餐
しりとりをして時間をつぶしていると。
「出来たぞ」と言いみなみが夕食を運んで来た。
「結構時間かけてたし、大作なんだろうねー」
「まあとりあえず色んな種類は作ってみたよ」
「最後の晩餐だしね」
「また残っちゃうんじゃない?」
「もういいだろ、来ない未来のことは考えない」
「捨てちゃうんだー」
「食材も一緒に滅ぶんだよ!」
そんな会話を交わしながら食卓に夕食を並べる。
「それじゃ、最後の晩餐ということで」
「本当に最後の夕食になるんだね」
「そうだねー」
「感謝を込めて」
と言い三人が手を合わせる。
「いただきます」
「なんだか実感わかないねー」
「これが最後になるかもしれないなんてね」
「そうだな」
「そう言えば、明日死ぬなら何食べたい?って質問もよくあったよね」
「そういえばそんなのあったな、リクエスト聞いたほうがよかったか?」
「別にいいよー」
「それで言うと、みなみちゃんは何だったの?」
「好きな食べ物で言ったけどカツカレーだな。カレールー無いから作ってないけど」
「それでトンカツは作ったんだねー」
「そう、一応食べたかったからな。だから二人の好きな食べ物とか聞いといたらよかったかなって」
「全然いいよー、私もこれって言うのは思い浮かばないしー」
「私は蟹かな。多分無いから結局聞いても一緒だったと思うよ」
「無いな」
「でもこうなってみると、普通にご飯食べてるだけでいいよねー」
「まあ最悪飢えてる人らもいるだろうしな」
「餓死とかもありそうだな、この状況だと」
「奪い合いだもんねー」
「そういう意味では私たち勝ち組だ!」
「みなみちゃんのおかげだけどねー」
「おう、感謝しろよ」
「してるよー」
こうして、わいわい話しながら、三人は最後の晩餐を楽しんだ。