真面目な話
「よし、ちょっと休憩して、そろそろ晩御飯でも作り始めるか」
「もうそんな時間?」
「まあ、最後の晩餐だろうからな、色々作ろうと思ってな」
「手伝おうか?私もお父さんと二人暮らしだったから、料理やってたよ?」
「いいよ別に、ひとりのほうがやりやすいから」
「そっか、じゃあお任せしよっかな」
「お任せしまーす」
そして、みなみは部屋を出た。
「さて、この時間をどう使いましょうか」
「今日はどんな気持ちー?」
「今日は何の気持ちも無いかなあ」
「ゆっくりまったりするー?」
「そうだね」
「何かお話しよっかー」
「すごろくに無い話がいいのかな」
「じゃあちょっと真面目な話しようかー」
「真面目な話?」
「明日世界が滅ぶとしたら何する?って昔よく話題であったけどねー。いざ本当に終わるってなると何も思いつかないもんだなーって」
「そうだね、多分こうなる前にその質問受けてたら、すごろくするなんて答えないもんね」
「なんて答えてたー?」
「とりあえずやりたいことを全部やっていくつもりだったなー」
「やりたいことー?」
「好きなもの食べて、好きな事して、好きな人と一緒に暮らすとかかな」
「叶わないもんだねー」
「元々危機感のない時の質問だからね、どう滅ぶか考えたことなかったもん」
「いざってなると、自由に動けないもんねー」
「何したって罪に問われないもんね、取り締まる人もいない」
「だからこそ今のこの生活があるんだろうけどねー、多分」
「まあ外に出られないしね」
「いやーそっちじゃなくてねー」
「あぁ、そういうことか。どうなんだろうね、訊いてみる?」
「そんなこと訊けないよー」
「だよね」
「今日は時間かかりそうだよねー」
「まあ私たち台所禁止だから、待つしかないね」
「別に特になにかするつもりもないけどねー」
「まあこの平和のために、しかたないことなんだろうね」
「まあいいけどねー」
「とりあえず、しりとりでもしてよっか」
とゆみが言い、しりとりをして時間をつぶした。