すごろく1
昼食を終え。
「そんじゃあ、すごろくやるか」
とみなみが切り出した。
「とりあえず各自20枚のマス持ってるけど、どうするの?」
「順番に1枚ずつ並べていけばいいだろ」
「じゃあとりあえず私からー」
と言ってえりが1枚机の隅に置いた。
それに続き、ゆみ、みなみが並べ、その後三人は順番に1枚ずつ並べていった。
そして60マスのすごろくが出来上がった。
「よし!出来上がり!」
「だれからやるー?」
「適当でいいだろ、じゃんけんでもするか?」
「じゃあみなみちゃんから時計回りで行こっか」
「なんで私なんだ」
「適当でいいじゃん」とゆみは笑った。
「まあいいか」とみなみは鉛筆を転がした。
「3だな...そういえばコマがないな。」
「そうだったね、まあその辺の小さいもの使えばいいよね」
と言い、えりは1円玉、ゆみは消しゴム、みなみは爪切りをコマにすることにした。
「それじゃ、まず3マス進めてっと」
【初恋の話】のマスに止まった。
「初恋かあ、そうだな、中学校の頃かな」
「そうなんだー」
「特に語るほどのエピソードも無いな。気づいたら好きだった」
「そんなもんだよねー」
「じゃあ次、時計回りでゆみの番な」
「よしきた!」と言いゆみは鉛筆を転がした。
「5だね、えーと、【感動した話】かあ」
「むずいな、止まりたく無いなあ」
「今こうして3人で遊んでいられることかな。正直、普通の生活なんて無理だと思ってたからね」
「えへへー、そう言われると照れるねー」
「これでOKかな?それじゃえりちゃんいっちゃおう!」
「りょうかいー」と言いえりは鉛筆を転がした。
「3だね、初恋の話だー」
「いきなり被ったな」
「んー、私あんまりわかんないやー」
「なんだそれ」
「なんかねー、男の人を好きってなったことがないんだよねー」
「なるほどね」
「話せてないけど私の番はこれで終わりでいいのー?」
「まあ、無いもんは話せないしな」
こうしてトークすごろくの1巡目は終了した。