断捨離
君が張り切って用意した
砂糖を入れるガラスの小瓶は
今はどこで使われているの
中に入っていたスプーンも
一緒にどこかに行ってしまった
キッチンの一角を占めていた
君の占有スペースは
いつの間にか減っていって
今ではすべて僕のもの
見回す限りフラットになった
キッチン回りとシンクの中に
君の影はどこにもない
思い付きや
思い出を
創り出したり
忘れたり
そんなことができるのも
僕らが大人になったからで
いつの間にか朝食だって
パンとミルクに戻ってしまった
もう一度
買い直そうとは思わない
お気に入りのマグカップは
今は一つだけでいい
ありがとうございました。