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恐怖の始まりは日常の中にあった
ネットショッピングと宅配便のおかげで、世の中は便利になった。
はずだった。
ちょっとしたはずみで、相手を激怒させてしまうことがある。
足を踏んだ本人はそのことをすぐに忘れるが、踏まれた相手はずっと覚えているという。
今日は6歳の息子を夜の体操教室につれて行く日だった。
予約したい時間がいっぱいだったので、1時間あとを予約した。
そうしたら、うっかり忘れてしまった。
宅配便の再配達を依頼していたのだ。
家に帰ると、指の形に血をなすり付けた不在票が郵便受けに入っていた。
まだ血の匂いがした。
カッターナイフで、誤って指を切ってしまった時の、あの血の匂いだ。
不在票には「時間指定ですよね??どうしていないんですか(泣)」
とボールペンで書かれていた。
殴り書きではない。丁寧に書かれていた。
私は、すぐに、電話を掛けて謝ろうと思ったけど、もう、ドライバーさんに電話をしていい時間は過ぎていた。
それが、これから長く続く、不幸のはじまりだった。




