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忌み子〜魔獣を呼び寄せる少女〜  作者: もち猫
第二章 学園へ
12/18

獣人の国 ジュナード ①

木曜日になってしまったので分けて投稿する事にしました。

題名はジュナードとなっていますが今回はまだその国には行きません。



過去編です




………今、気がついたのですが精神力とかの心の方の精神と精神・ニャーシテールの精神、漢字も読みも同じですね。でも、せいじん、だと成人とか聖人に漢字てしまうし…どうしよう。

…雰囲気でどっちか考えていただけると幸いです!

目を開けるとアイは父の背中に乗っていた。


「あぁ、起きたか。アイ。」


アイが動いたので分かったのだろう。

ダイがアイに話しかけてきた。

周りの景色は動いている。

どうやら走っている様だ。


「…!えっと、あのあとどうなったの?…あ!おかーさん、かわるの。」


アイは一旦寝た後の事を聞いたが隣でメアリーが走っているのをみてそう言う。


「大丈夫よ。きちんと疲れたら休んでいるし…。でもそうね、ダイ、そろそろ休みましょう?アイにあの後の事も話したいし。」


「そうだな。」


メアリーとダイはそう言うとアイを下ろし地面に座る。

いつの間にか服を着ていた。

寝ている間にメアリーかダイが着せてくれたのだろう。

靴も履いている。


「あ!スウ、おみずだしてほしいの。魔力なの。」


疲れた様子の二人を見てアイはスウにそうお願いする。


『はい。』


「…ありがとう。やっぱりあれもアイなのかしら…。」


ダイとメアリーは出てきた水を水筒(メアリーは準備をしていた為水筒を携帯していた)にいれるとメアリーがそう呟いた。


「?」


だが、アイには何の事だか分からない。


「あのね、アイが寝た後、王都から追っ手…そうね、アイを捕まえようとする悪い人達がやってきたのよ。そしたら私が発動した訳でもないのに転移したの。それからどれくらい王都から離れているのか分からないから一応こうやって走っているのよ。」


メアリーにそう言われてそういえば転移はフウだったとフウを見ればなんだか疲れた様な顔をしている。


「わぁ!フウ、だいじょうぶなの?」


『…平気。内部魔力を使って魔法を発動したら精神的に疲れただけ。アイのお陰で消えはしないから安心して。』


精霊や魔力を持つ生き物は命である内部魔力と魔法などに使う外部魔力を持っており、精霊は内部魔力がなくなると消え、生き物は内部魔力がなくなると死ぬのだが、精霊には外部魔力と内部魔力を繋げる事ができ、一般的な精霊は人から精霊魔法を使う時に与えられた魔力を少し残して魔法を使い、残した魔力を内部魔力に移動して消えない様にしている。

命精は少し違うが。

とにかく、アイによって常に内部魔力が満たされる様になったフウはアイの危機に内部魔力と外部魔力を繋げ、内部魔力から転移魔法を発動した様だ。

命が一気に削られ、そして戻るという事を初めて経験したフウは精神的に疲れたのだろう。


「たすけてくれてありがとうなの。だけど、あんまりむりしちゃいけないの。」


『……頑張る。』


『わたしはアイにもむりしてほしくないなー。』


「?どういういみなの?」


『メイにきいたんだよ?アイ、ねてるあいだもスキル、つかってたんでしょ?』


『そうよ!ピピの言う通りだわ!私達にはよく分からないけど人はスキルを使うと精神力っていう物を使うんでしょ?数値的には平気でも無理は駄目よ!』


「よくわからないけどわかったの。」


『本当かなぁ?』


「メイたちはしんぱいしょうなの。」


「ねぇ、アイ?精霊さんと、話してるの?」


「そうなの。メイとスウとフウとピピとヒナなの。」


アイがそう答えるとメアリーは少し困った様な顔をしてから口を開いた。


「……あのね、アイ。皆は精霊さんと話せないの。分かる?」


「そうなの?」


「えぇ。でね、アイがそうやって精霊さんと話してると皆が嫉妬しちゃうのよ。だから、あまり話さないで欲しいの。できる?」


本当は忌み子であるアイにそう言った特徴があるとバレやすくなってしまうからなのだが、まだ小さいアイに自分は忌み子だと教える事など出来ない。

酷すぎる。


「うーーん。わかったけどみんなとはおはなししたいの。…そうなの!それならこえをださないでおはなしすればいいの!」


「…ん?ちょっと待て、アイ、今、声を出さないって言ったか?」


「そうなの。なんとなくできるきがするの『あー、あー、みんな、きこえるの?』


『大丈夫よ!バッチリ聞こえてるわ!』


『だいじょうぶだよー。』


『…平気。』


『ちゃんと聞こえるよ。』


『聞こえてるよぉー。』


『よかったの』おかーさん、おとーさんはきこえたの?」


「…いや、聞こえなかった。アイは凄いな。」


「えぇ、聞こえなかったわ。【無詠唱】を持ってるなんてアイは凄いわ。」


「えへへ、なの。」


何が凄いのかはよく分からないが、褒められていると感じたアイは嬉しそうな顔をした。


「アイはメアに似たんだな。」


「あら、そうでもないと思うわ。体力だったら貴方に似て沢山あるようだし。」


「そういえばそうだな。……今日はこのくらいにしてここで休むか。メアも疲れているだろうし。」


「そうね。流石に私も疲れたわ。ここがどこだか分からないけどまだ追っ手は来ないし。」


「明日くらいには近くの町にでもよるか。町に行けばここがどこかも分かるし足りない物も補充できるだろう。」


「平気かしら。」


「大丈夫だと思う。まだ情報もそう回ってないだろうし。」


『フウ。ここはどこなの?』


二人の会話からどうやらここがどこだか分かっていない様だと察したアイはフウにそう尋ねる。


『……アイもここの地名を知らないし、私も知らないから地名は分からない。だけどあの王都から北西に直線距離で千km程離れた所。』


『ありがとうなの。』おかーさん、おとーさん、ここはおうとからほくせいにちょくせんきょりで、せんkmくらいはなれたところらしいの。」


「…そうか、ありがとう。アイ。……という事はもうルラミカーニャからは出てミルスミートかジュナードか?」


「うーーん……それなら今はミルスミートよ。ジュナードにも近いけど。確かにちょっと肌寒いわね。このままジュナードにいくなら上着を買わないと。」


「そうだな。今後の事も考えて一応買っておくか。」


「ええ、町に近づけなくなる可能性もあるし。」


その日はまだアイが起きたばかりであったがメアリーがテントをだすと簡単に食事をして寝た。

メイ達はアイと契約した事により内部魔力を出来るだけ消費しない様にする休眠状態になる必要はなくなったのだが習慣で休眠状態、光の玉になった。




ーーーーーーーー



「ふわぁ。…お母さん達はまだ起きてないの。」


流石に寝過ぎたのかアイはかなり早くに起きた。

昨日よりも滑舌が良くなっている気がする。


『アイちゃん、だよね?私、アイちゃんのお父さんのダイの命精なの。名前、くれない?アイちゃんとメイ達をみてから急いで仕事終わらせたのよ。』


アイが起き上がると急に目の前に純白のワンピースをきた精霊が現れた。

銀色の髪を胸まで伸ばし、前髪は薄青色の目まである命精だ。


『俺もだ!メアリーがアイが命精…メイ達に名前をつけてるのをみてから急いで仕事を終わらせたんだ!メアリーったらこっちが頑張って外部魔力を満タンにしようとしてんのにガバガバ使って大変だったんだぞ!』


なんだか怒った様な感じでもう一人の命精がアイの目の前に現れる。

この命精はツンツンとした青紫色の髪をしており目は黒色だ。


「んーと。あ、『銀色の命精さんはお父さんの命精で、青紫色の命精さんはお母さんの命精、であってるの?』


まだ無詠唱で話す事に慣れないアイ。


『あってるよ』


『そうだ!』


『なんだかややこしいの。まぁ、いいの。名前が欲しいの?ちょっと待つの。今考えるの。』


『『………。』』


二人の命精が期待の目でこちらをみてくる。


『うーん。あ、思いついたの!』


『私のかしら!』


『いや、俺のだよな!』


アイがそう言った瞬間二人が更に近寄ってきた。


『ちゃ、ちゃんと二人共思いついたの。だから、もうちょっと下がって欲しいの。』


『ん?あ、ごめんなさい。』


『ん?おぉ、ごめんな。』


どうやら二人共無意識だった様である。


『じゃあ、始めるの。印って言ったら掌を契約書に押し付けて欲しいの。』


『分かったわ。』


『おう!じゃあ、俺からな!』


『分かったの。じゃあ、《我、汝を従精とする。名は『カイン』。我は、我が死ぬ、又は汝が名を捨てる、などがない限り魔力を与え、汝を決して消滅させない事を誓う。汝は、我が助けを求めた時、汝の出来る範囲、助けることを誓うか?誓うならばこの契約書に印を示せ。》』


アイがそう言うと目の前に紙が現れた。

するとすぐに青紫の命精…カインが掌をそれに押し付ける。


『とう!…これでいいんだな?』


『そうなの。』


『それじゃあ、次は私。お願いね?』


『分かったの。じゃあいくの。…《我、汝を従精とする。名は『メル』。我は、我が死ぬ、又は汝が名を捨てる、などがない限り魔力を与え、汝を決して消滅させない事を誓う。汝は、我が助けを求めた時、汝の出来る範囲、助けることを誓うか?誓うならばこの契約書に印を示せ。》』


紙が現れると銀色の命精…メルも紙に掌を押し付けた。


『…これでいいのね?』


『そうなの。二人共これからよろしくなの。』


『よろしくね。』


『あぁ、よろしくな!』


契約が終わると二人はそれぞれの子の元に戻っていく。


「ふぅ、ちょっと疲れたの。」


これは契約に精神力を使うからである。


「ん?あれは精霊さん達なの?」


アイが伸びをして外にでると赤と青と緑と黄色の軍団がやってきた。


『アイちゃん、だよね?名前頂戴!』


何処から聞きつけたのかアイに名前を貰いに来た様である。


『私も!』『俺も!』『私も!』『あたしも!『お願い!』『ウチも!』『俺も!』『俺も!』『私も!』『私も!』『俺も!』『私も!』『あたしも!『お願い!』『ウチも!』『俺も!』『俺も!』『私も!』『私も!』『俺も!』『私も!』『あたしも!『お願い!』『ウチも!』『俺も!』『俺も!』『私も!』『私も!』『お願い!』『お願い!』『ウチも!』『俺も!』『俺も!』『私も!』『私も!』『俺も!』『私も!』『あたしも!『お願い!』『ウチも!』『俺も!』『俺も!』『私も!』『私も!』『俺も!』『私も!』『あたしも!『お願い!』『ウチも!』『俺も!』『俺も!』『私も!』『私も!』『お願い!』







ーーーーーーー





「…!アイ、どうしたの!?」


メアリー達が起きて来た時には疲れ果てたアイがいたのはご愛嬌だ。

ふう、早く続き書かないとなぁ。

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